落部漁協のホタテ養殖漁家は、耳づり2年貝の出荷を開始した。水揚げ量は日産70~80トンペース。今季はへい死被害が目立っており、着業者は「1施設で3割~半分が死んでいる」と頭を抱えている。サイズは若干小さめだが、歩留まりは例年並み。
総務省の全国家計調査によると、昨年1年間で一世帯(2人以上)当たりが購入したホタテの数量は、過去10年間で最低だった平成23年をさらに下回る結果となった。100グラム200円を超える単価の上昇が消費減退につながったとみられる。
岩手県・広田湾漁協広田地区のホタテで14日、大震災以来3年ぶりとなる地種養殖の出荷が始まった。震災前まで悩まされていたへい死が激減したうえ、殼長11.5~13センチと成長も良好な新貝だ。南浜(広田湾)では昨秋の沖洗いで付着物が減った効果も大きく、1連200枚つりで30キロという快調なスタート。北浜(大野湾)では2月15、16日のシケによる落下被害が気掛かりだ。
道漁連は2月10日と12日、フランスで開かれたJETRO(日本貿易振興機構)主催のレセプション「日本産ホタテと日本酒マリアージュの会」で道産ホタテをPRした。バイヤーなど参加したフランスの関係者は、地元産や南米産と比べ品質の良さに好反応を示しており、道漁連では大きな手応えを感じて帰国。
ことしの玉冷製品は、昨年同様に米国向け中心の輸出主導となる見通しで、内販との均衡が課題となりそうだ。価格高騰で国内消費は鈍っており、本年度の内販は前年度比1割減となる1万3000トン台の見込み。量販店の水産バイヤーは「ことしの商戦も厳しくなる」と警戒している。
噴火湾渡島6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部)の今季初となる2年貝の共同値決めが1月31日に行われ、八雲町漁協がキロ198円、森漁協が195円で妥結された。いずれも前年同期比40%高と高水準。残る4単協は上場がなかった。
岩手県・野田村漁協野田養殖組合(小谷地勝組合長・10人)のホタテ生産が震災前に戻りつつある。メーンの中成貝は水揚げが新年度に8割まで回復する見通しで、平成27年度に10割をめざす。成貝は昨年12月に震災後初めて水揚げ。新年度から養殖管理を共同から個人に戻す予定で、震災前と同様に中成貝と成貝とで周年出荷できる時期が早まりそうだ。
噴火湾産の入札価格が200円台の高値で推移する中、千円台と高騰しているボイルの製品価格は今のところ下がる気配がない。ただ、今季商戦の生産量や価格形成は昨季同様、中国向け両貝冷凍の輸出規模が大きく影響。今季の輸出量は昨季を下回る見方が大勢を占めており、現価格が消費地に受け入れられるかは不透明だ。
昨季のボイル生産量は、前年比36%減の9千トンと1万トンを割り込んだ。半面、中国向け両貝冷凍は同3倍の3万5千トンと急増。原貝のボイル仕向けは初めて両貝冷凍を下回った。
中国への輸出が急増している両貝冷凍の引き合いは、昨年1月と比べ温度差がある。
1~2月の貝は小さく卵が張っていないため中国バイヤーは敬遠しており、流通筋は「3月まで動きはない」と指摘。今季は「昨季の3万5000トンを下回るだろう」とみる。
※記事の詳細は週刊水産新聞紙面をご覧ください。
(2014年01月27日付)
いぶり噴火湾漁協の今季2年貝水揚げ量は、昨季と比べ約3割減となる見通しだ。
昨年のへい死被害や成長不足に伴うもので、減産は避けられないもよう。
※記事の詳細は週刊水産新聞紙面をご覧ください。
(2014年01月20日付)