後潟漁協は今年、潜水による天然貝の水揚げを始めた。採取するダイバーは1日最大5人。8月1カ月間で終漁し水揚量は18トン。来年から本格操業に入る。
青森県陸奥湾で7月に始まった新貝の出荷が終盤に入った。昨季同様にへい死が少なく好成長。現時点の水揚げは大半が平内町漁協で、9月前半までに終漁する予定だ。
耳づりの新貝出荷は7月に始まり、例年8月中旬ごろに終えるが、ともに好成長だった半成貝の出荷がずれ込んだことも影響し9月まで続いている。出荷量は1軒当たり日産1トン程度だが、ことしは北海道の減産で引き合いが強く無制限となり、多い漁業者は4、5トンを出荷している。
噴火湾全域で発生している耳づり貝の大量へい死を受け、噴火湾8単協は近く、国に対し支援要請を行う。また8月末の台風10号で養殖施設が被災しており、復旧に向けた支援要請も合わせて行う考えだ。ことしは稚貝の成育が悪く、耳づりした本数は昨年より少ない中、原因不明のへい死が湾全域で大量に発生。来季の出荷量は、半減したことしの5万トンから、さらに半減する可能性も否定できない深刻な状況に陥っている。このため、へい死の原因解明に向けた調査や漁業者の運転資金などに対する融資を道、道漁連とともに要請することを決めている。
噴火湾のホタテ養殖が深刻な状況に陥っている。今春に耳づりした貝のへい死が湾全域で多発しているため。半減したことしに続き、来季出荷量も大きく落ち込む可能性が高まってきた。
オホーツク海沿岸のけた引は後半戦に入った。南部同様に厳しい操業を強いられる北部では、4単協とも進ちょく率5割以上を達成。上昇ピークを迎えている歩留まりは12~15%台の範囲に落ち着いている。
噴火湾の稚貝採取は順調に進み、大半の漁家が終盤戦に入った。全湾で必要数量を十分に確保。渡島側では例年より多く採取した地区もあり、地場産だけで賄う漁家も増えたようだ。
湧別漁協はこのほど、玉冷製造委託先の株式会社小谷商店に株式会社ニッコー(釧路市)製自動ホタテむき機「オートシェラー」を導入した。昨年の有限会社マルヤマ山口海商に続いて2台目。今回は手作業のホタテ投入も機械化。投入部分を経済産業省の「中小企業経営支援等対策事業」に補助申請している。
宮城県のホタテは盛漁期も高値が続く異例の展開となっている。7月は420円で、下旬は日産40トンペース。生玉、活貝加工とも採算は厳しく、買受人から400円以下を求める声が強まっているが、生産者側はへい死増加による減産見込みを背景に高値に固執。買受人によっては、高値でも扱いを増やしたい、県外搬出を止めたいという思惑もあるようだ。
小規模ながらも動いていたオホーツク産の玉冷輸出は、この約1カ月間でほぼストップした。高騰している製品価格はキロ3300円前後で推移し、円高基調が一層拍車を掛け、流通環境は最悪の状態。「年間1万トンの輸出目標には到底及ばないペース」(流通業者)で、浜値は先週から下げ相場に転じている。
青森県はこのほど、平成27年産の養殖ホタテ春季実態調査結果を公表した。成長・生残率はともに良好で殻長、全重量、軟体部重量・指数は調査開始以降2番目に高い数値となった。一方で4割の地区が過密状態にあることを指摘。高水温などの環境悪化によるへい死が強く懸念されるため、収容枚数の早急な適正化を促している。