5月25日に札幌市内で開催された第22回全国ホタテ大手荷受・荷主取引懇談会で、道漁連の大谷内優営業第一部長が「ほたての生産・流通動向等について」と題し講演した。今季のオホーツクは歩留まり、アソートが良好で玉冷が昨年並みの生産量となった場合、輸出・内販合わせ2万トンの消化を想定。ボイル販売は陸奥湾産ベビーの増産も予想され苦戦を強いられる可能性に言及した。
ホタテの新物商戦を展望する道水産物荷主協会(宮崎征伯会長)主催の第22回全国ホタテ大手荷受・荷主取引懇談会が25日、ロイトン札幌で開かれた=写真。北海道産の水揚げが過去最低水準で減産高値の状況下、ボイル消費は増産した陸奥湾産の仕向け次第で左右されると指摘。玉冷は高歩留まりの気配で昨年並みの生産量を確保した場合、内販の荷動きは鈍いことから輸出で昨年を上回る1万2000トン以上となることに期待が寄せられた。
岩手県南部のホタテ採苗は、浮遊幼生(ラーバ)の付着が確認されつつあり、必要量を確保できそうだ。吉浜漁協では幼生観測から難しいと思われたが、1袋当たり400~700個の付着となっている。
ことしのオホーツク海けた引は、北部で高かった歩留まりが南部でも上がり始め、全域で高歩留まりになるものとみられる。本操業は大半が6月以降。計画量は過去最低水準の18万トンを試算している。
宮城県女川町でホタテ半成貝新貝の水揚げが一足早く活発化し、へい死や変形の増加が確認され懸念が深まっている。北海道日本海側から昨秋移入、耳づりし、大半の産地の貝が耳づり当初に死滅したり変形につながったとみられている。連ロープによっては垂下の半数に及び、これまでにない事態のようだ。
オホーツク海のけた引漁は、猿払村漁協が4月に本操業を開始した。1隻3トン前後で始まった日産ノルマは5月11日から8トンにアップ。歩留まり12%、アソートM・S・3Sと上昇しており、値決めは過去最高水準のキロ300円を付けた。
【釜山=松本名司】韓国では貝焼き専門店などで人気の活ホタテ。北海道産の輸入量は年々増加しているが、浜値高騰と円高進行で輸入業者は採算ぎりぎりの厳しい経営を強いられている。一方、中国産は自国内消費拡大により韓国での販売価格が道産を上回る状況に。道産への依存度は増しているが、関係者は「このままでは市場が縮小しかねない」と懸念する。
終盤に入った渡島噴火湾の加工貝(2年貝)出荷量は、4月末で約3万5000トンとなった。前年同期と比べ5割強の減産。浜値は高値キロ390円まで上昇している。
宮城県産ホタテは初の新貝(一昨年採苗貝)共同値決めが中部、北部両地区であり、地種、半成貝養殖とも450円で滑り出した。いずれもそれまでの県漁協支所別の相対販売価格を反映したものだが、中部は昨年に比べ100円高。水揚げは大型連休をにらみ活発化に向かうものの、始まりは両地区合わせ日産10トン程度と鈍い。高値が重しとなっているようだ。
道北日本海・留萌管内で、稚貝の出荷作業が始まっている。例年よりシケが多く出荷ペースは遅れ気味。一方、規定サイズは20日から3.5センチ以上にアップしたが、各組合とも平均4センチ以上と良好。漁業者らは「荒天続き。早く回復してほしい」と願っている。