広田湾漁協広田支所のホタテ新貝(一昨年採苗貝)水揚げが12日、始まった。成長は近年にないほど良好だが、へい死が増加、「3~5割」との見方がある。生産者は、昨年8月の水温上昇や台風による大シケ、河川水流入が要因と推測。高値スタートで価格によるカバーに期待がかかる一方、大震災前のようなへい死の継続、拡大を恐れる。
いぶり噴火湾漁協の2年貝が急騰し、史上初めてキロ600円台に突入した。10日に伊達で613円、虻田、豊浦で610円。出荷量は日産90トンペース。2月上期の共同値決めは430円で決定後、9日~15日分は480円に修正、1月下期より130円高となった。
宮城県のホタテ水揚げが激減、2月10日ごろにめどがつき、下旬には切れる見通しだ。メーンの半成貝養殖は2月が旧貝から新貝に替わる端境期で昨年も底をついたが、今季はへい死増加でいっそう深刻。女川の地種新貝に例年以上の期待がかかるが、成長は遅れているという。
オホーツク海けた引漁の平成29年計画量は、前年実績をやや上回る18万3700トンとなった。昨年同様に20万トンを切る厳しい見通し。北部は猿払村が3万7000トン、宗谷が2万8000トン、南部は紋別が2万6600トン、常呂が2万1200トンなど。2万トン超えは、この4単協のみで、6単協が増産計画としている。
湧別漁協は今年から、ホタテ漁場に沈設されている魚礁を移設する。3カ年で4000~5000基を計画。魚礁全体の約半分を移設する予定だ。道の補助を受け今年3月から作業を開始する。
噴火湾で生産する2年貝(加工貝)の今季出荷計画は、2万トン割れの低水準となる見通しだ。渡島は6単協合わせ1万1600~1万3100トン、胆振は5000トンで合計1万6600~1万8100トン。昨季実績比6割減となる。昨年8月の台風被害に加え、予想以上にへい死が発生したものとみられる。
根室海峡のけた引漁が6日、新年の操業を開始した。尾岱沼漁港水揚げ分の平成29年計画量は前年実績比28%減の1万8900トン。巽沖はじめ各漁場で減産の見通し。浜値はキロ340円程度。歩留まり低下で昨年より100円ほど弱含み。
低水準のホタテ水揚量が続く北海道。平成28年度の水揚げや玉冷・ボイル消流の新年見通しを道漁連の大谷内優営業第一部長に聞いた。
青森県陸奥湾の稚貝は順調に成育している。全重量は平年値をやや下回ったものの殻長は平年並み。分散済収容枚数は715枚となり、千枚を超える過密状態が5年ぶりに改善された。一方、新貝の成長も良好で全湾平均の殻長は過去最高。全重量と軟体部重量は調査を始めた昭和60年以降で3番目に高い数値となっている。
渡島噴火湾の2年貝出荷は、長万部漁協が例年12月にいち早く開始するが、今年は大量へい死と台風被害の影響で6単協とも年明けとなる見通し。3年貝は長万部、八雲町で出荷しており、上値キロ400円台で推移している。