三陸のホタテ養殖で、北海道産半成貝(昨夏採苗)と当年貝(今夏採苗)の移入が始まった。岩手県の越喜来湾(大船渡市)に入った半成貝は殼長のばらつきが大きいものの9センチ前後中心、18キロ当たり250~280枚ほどと好成長。当年貝は分散した1浜で早くも死滅が見られるという。移入はまだ道内の一部産地の貝にとどまり、昨季と同様に遅れ気味だ。
米国中心の玉冷輸出は依然停滞している。道漁連によると9月末輸出量は4600トン。「10月以降例年のパターンで進んでも9000トン台」と厳しい見通しだ。「買い足しても1万トンに届くかどうか」という状況。仮に内販が昨年並みとしても期末在庫は5000トンを超える、ここ数年になかった大量繰越の可能性が現実味を帯びている。
オホーツク海沿岸のけた引は、北部の宗谷、頓別、南部の沙留、紋別、網走が10月末で終漁した。宗谷、沙留、網走は当初計画を達成、紋別は約4000トン及ばなかった。
北海道内における今年のホタテ水揚量は、シケ被害などの影響で25万トン台に落ち込む見通しだ。玉冷、ボイルとも製品価格は高値基調。輸出停滞で下方修正したものの昨年来のペースにはほど遠い状況。依然として国内消費も伸び悩んでいる。来年の水揚量も低水準とみられ関係者らの不安が一層強まる中、今後の流通対策などを道漁連の大谷内優営業第一部長に聞いた。
欧米の食品機械を国内販売する株式会社タカミ(兵庫県西宮市)は水産加工向けの販売、ライン設計事業を強化する。水平切りスライサーや搬送装置を柱に置き、食肉関連で培ったノウハウを水産関連でも生かしていく。
ホタテは食用以外の部位でも、需要拡大や規制が着々と進んでいる。貝殻はカキの原盤を中心に需要が伸びているほか、加工場では排水処理の規制が厳格化され、最新システムを導入する動きもある。
10万トン超えの水揚げとなった青森県陸奥湾。浜値高騰で金額は200億円(税込)を突破、ともに史上最高を更新中だ。県漁連は来年3月までに約6000トンの成貝出荷を予測、本年度の水揚量は10万6~7000トンとなる見通し。浜値も高値基調で金額のさらなる上積みが期待される。
今季の玉冷消流は、輸出・内販とも昨年以上に停滞感が加速。価格修正後の輸出動向に見解が二分するが米国中心の輸出好転に大きな動きは見られず、こう着状態は打開できていない。需要低迷で大量繰り越しも現実味を帯びる中、今後の需給動向に注目が集まる。
今年のボイル生産量は前年比30%減の7000トンと低水準。供給量は期首在庫1000トンと合わせ8000トン、過去10年で最少規模となった。NET1キロ価格は1600円と高値形成。それでも生産減を反映し消化は進んだ。
今年再開した29号根室海域は、当初計画を若干下回る908トンを水揚げした。道内の減産高値を背景にキロ平均単価は331円と好値を付け、金額は計画超えの3億2400万円となった。