南かやべ漁協は主力の促成で増産を見込んでいる。昨年度実績の2145トンに対し今年は2348トンの計画数量。順調な水揚げが進み大半の漁家が収穫作業を終了、製品作りが本格化している。
サロマ湖の一部の沿岸で15日、ホッカイシマエビやカジカなどの死骸が打ち上げられた。佐呂間町富武士地区を中心に約5キロの範囲で発生。佐呂間漁協職員や漁業者は17日、960キロの死骸を回収した。サロマ湖養殖漁協は8月上旬の降雨と風向きの変化で貧酸素の海水が沿岸域に上がり、行き場を失った根付きの魚類が「局所的」に死滅したと推測している。
道東沖のサンマ棒受網漁が始まった。25日は根室・花咲港で小型船(20トン未満船)8隻と大型船(100トン以上)1隻がバラ44.6トン、発泡644箱の水揚げ。今年も低調で組成は小ぶりだが、昨年微量の110グラム以上も揚がっている。花咲市場の浜値は高値キロ3千円台に落ち着いた。
利尻漁協のバフンウニはシケによる沖止めが続き浜値が高騰、8月上旬にはキロ6万円台と組合史上最高値を付けた。ただ7月末現在の累計では数量、金額ともに前年同期を大きく割り込んでいる。漁期は終盤に入ったが、最後の追い上げに期待がかかる。
函館市の株式会社誉食品(熊谷輝彦社長、電話0138・86・9291)は、噴火湾産ベビーホタテを使用した「ほたて松前漬」のプラスチック容器入りタイプを新たに打ち出した=写真。看板商品の松前漬で、需要が回復してきた土産品や、ギフト向けの単品・セット商品を充実し、販売拡大に臨んでいる。
増毛漁協のミズダコはタコ箱で一時キロ1800円台と高騰した。昨年から高値基調となる中、今年は一段と強含みの傾向を示している。一方7月末時点の水揚量は、タコ箱が昨年並みとなった反面、空釣縄が失速し全体では2割の減産。金額は単価高の影響で昨年を上回っている。
岩内町が青森県の株式会社オカムラ食品工業(青森市)と同社グループの日本サーモンファーム株式会社(深浦町)と連携して取り組むトラウトサーモン(ニジマス)の海面養殖試験は今年6月に初水揚げを迎え、約14トンを出荷した。加えて、岩内沖の海洋深層水を活用した陸上での蓄養試験も実施しており、将来的な端境期出荷が可能かどうか検証している。
利尻漁協の養殖は収穫がほぼ終了した。全般的に毛(ヒドロゾア)が早く付きだしたことに加え後半にかけて付着状況が進行。同漁協全体で大幅な減産となる見込み。着業者は「例年とは違い頭から付いたコンブもある」と今季の特徴を話す。同漁協によると昨年の養殖コンブの実績は249トン。今年は当初222トンの計画だったが8月上旬の段階で72トンと大幅に下方修正。「養殖は230~250トンほどで安定していたが今年は全般的に毛が多く苦戦。大減産となる見通し」と示す。
道東沖のマイワシ棒受網漁は、近年同様にサイズの小型化に見舞われている。拠点港の花咲港で荷揚げする中型船(50トン未満)の漁労長は「日量は例年並みだが、最近はサイズが小さくなった」と資源動向を注視。根室の水産会社は「年々サイズが小ぶりになっている。生鮮出荷はもちろん、加工向けにも扱いにくい」と嘆き、商戦展開に苦慮している。