いぶり噴火湾漁協の2023年度加工貝(2年貝)水揚量は、前年比1%減7930トンを計画している。伊達地区の「早出し」は10月30日にスタートしたが「例年より小ぶり。各地区でへい死も進んでいる」(同漁協)ことから、本来の水揚量には届かない見通しを示している。
えさん漁協尻岸内地区ほっけ刺網部会のブランド「海峡根ぼっけバキバキ」の秋漁が11月上旬に始まった。水揚げは多い船で日量60箱。髙島信幸部会長は「出足の漁模様はまずまず」と感触を話す。ただシケが多いほか、例年に比べてサメ被害が目立ち、着業者は今後の海況好転を願う。
全道的にコンブ漁業の陸回り不足が慢性化する中、広尾漁協の保志弘一さんは、道内外の大学生らを受け入れて人手不足を解消、生産向上を図っている。今年はこれまでで最多となる15人の学生が陸上作業に携わったことで拾いコンブを中心に操業を効率化、過去最高の水揚げにつながった。また、付加価値対策としてコンブの製品化工程で発生する副産物を利用した独自商品の製造にも注力。漁村の活性化と持続可能なコンブ漁業に向けて取り組みを深化させている。
南かやべ漁協の大定置は、近年主力となっているブリの水揚げが昨年の1.5倍に上向いた。例年9月に盛漁となるが今年は10月に大量上網。特にイナダは72倍に急増している。低調ながらスルメイカも揚がっており、7日にはキロ1220円と好値を付けている。
5万トン台前半の低水準で最終盤に入っている北海道の秋サケ。今年の商戦は旬期の生鮮販売が消流をけん引。昨年産の製品在庫を抱え、特に前半は加工筋の原料手当てが慎重となり、相場が昨年より下方修正。量販店は積極的な商品展開で売り上げを伸ばしている。
枝幸町の株式会社オホーツク活魚(藤本信治社長、電話0163・62・4553)は、急速凍結施設を新設した。自社製品の凍結や冬期の漁閑期に稼働する原料確保に加えて、国内外の業務筋など需要先への原料供給に乗り出す。親会社の藤本漁業部が猿払村で定置漁業を営んでおり、多魚種が獲れる産地の優位性を生かし、従来の活・生鮮と併せて冷凍品で北オホーツク産の消流拡大を進めていく。
コンブ研究者らでつくるNPO法人北海道こんぶ研究会(理事長・四ツ倉典滋北大教授)は12日、札幌市の道新プラザDO-BOXで「北海道こんぶDay2023」を開いた。講演や試飲試食提供のほか「利き出汁コンテスト」、アート体験、川柳発表なども行い、来場者にさまざまな角度から昆布の魅力を伝えた。
東京電力福島第一原発のALPS処理水海洋放出に伴う中国の水産物禁輸措置から約3カ月。大きな影響を受けたホタテの国内消費は、玉冷を中心に急拡大した。量販店や業務筋に加え通信販売やふるさと納税返礼品の需要が増加。国や道の支援も奏功し順調に消化されている。米国や台湾など海外輸出も堅調に動き出しており、オホーツク海のある加工業者は「だぶついた在庫の底が見えてきた」と好感触。関係者の大半は3Sキロ2500円の製品相場を底値と捉えている。
渡島噴火湾のスケソ刺網は、序盤から群れが薄く、低調だった昨年の水揚げをさらに下回る出足となった。昨年同様に水深400メートル前後の深みで操業しているが、日量1トンに満たない船も多い。薄漁で操業隻数が少ないこともあり、10月の水揚量は道の集計で前年同期比75%減343トン(速報値)と大幅に落ち込んでいる。浜値は減産に伴う仕事買いの様相を呈しキロ140円台と高騰。加工筋は成熟卵の引き合いが強まる12月以降の相場に警戒している。
道東沖の巻網漁が10月末で終漁した。道まき網漁業協会のまとめによると、主力のマイワシはキロ平均単価が昨年比36%高の60円に高騰し金額は同53%増の149億9555万円に伸長、32年ぶりに100億円を超えた。漁期を通し小型組成だったものの数量も同11%増の24万9771トンに伸ばした。