留萌市の株式会社ヤマニ野口水産(小野寺正司社長、電話0164・42・1127)は、北海道産水産素材で新感覚の菓子を相次いで打ち出している。秋サケの塩とばを使ったせんべいと、マダラの身肉のみで仕立てたクッキーの2品。乾珍味など主力製品の加工副産物も有効活用。今年から土産品需要を中心に拡販を本格化していく。
南かやべ漁協の木直・尾札部両地区が主力の2年養殖は近年、生育不良が続いている。今季も総体的に状況は芳しくなく、現在種コンブの養成綱への挟み込み(株分け)を進める木直地区の着業者は「昨年よりも状況は悪く今夏も減産になるだろう」と見込む。
燃油・資材価格の高騰、海洋環境の変化による水産資源の減少・変動などに加え、ALPS処理水の海洋放出に伴う中国の日本産水産物禁輸措置といった難題を抱えた水産業界。ただ、足元の現場では逆境を乗り越えるための努力を重ねている。新年が夢と希望に満ちた年になることを祈念して、「水産UP(アップ)」と題し、進化や向上に挑む事例を取り上げた。
常呂漁協の若手漁業者で構成するマスコスモ合同会社(柏谷晃一社長)は、6次化の取り組みを一段と拡大している。無添加商品の開発・販売を継続しながら、地場産原料を提供する飲食店舗を年々拡大。出前授業を続けながら昨年は札幌の専門学校に食材を提供し食育事業にも貢献した。「オイシイ。でツナガリタイ。」のコンセプト通り、多角的な運営が実を結んでいる。近く海外輸出にも挑戦する計画だ。
常呂漁協の若手漁業者で構成するマスコスモ合同会社(柏谷晃一社長)は、6次化の取り組みを一段と拡大している。無添加商品の開発・販売を継続しながら、地場産原料を提供する飲食店舗を年々拡大。出前授業を続けながら昨年は札幌の専門学校に食材を提供し食育事業にも貢献した。「オイシイ。でツナガリタイ。」のコンセプト通り、多角的な運営が実を結んでいる。近く海外輸出にも挑戦する計画だ。
函館市漁協入舟地区の浅海漁業者は前浜の藻場造成に取り組んでいる。コンブやワカメの種苗が付いたロープや種苗糸を前浜に投入して生育させ胞子を放出。浅海の主要魚種の一つであるウニの成長が期待できる海藻豊かな海を目指している。
燃油・資材価格の高騰、地球沸騰化時代の到来とも表される気候変動による海洋環境の変化などの影響に見舞われた昨年の北海道の水産業。新年は東京電力福島第一原発・ALPS処理水の海洋放出に伴う中国の日本産水産物禁輸措置などの対応が引き続き課題となる。年頭に当たり、道水産林務部の山口修司部長と、道漁連の阿部国雄会長に展望を聞いた。
北海道産カキの今季生産量は、歩留まりが向上しているサロマ湖産をはじめ昨季よりも増加する見通しだ。サロマ湖3単協では放卵が多少遅れたため出荷時期を1週間ほど順延したが、身入りは好転し順調な水揚げ。道東の厚岸漁協も夏場の高水温で一時は低歩留まりとなったが、11月以降は徐々に改善し本格出荷に移っている。一方、量販店や業務筋の引き合いは昨年以上に順調で「動きは悪くない」と札幌市場担当者。浜値は本州産減産の影響もあり殻付きが好値を付けている。
札幌市の株式会社メディアプロ(三浦光貴社長、電話011・708・8861)は、料理や商品開発、物販、イベント開催、ブランディングなどトータルで6次化に取り組む生産者をサポートする体制を備えている。メニュー・商品・体験などを通し、産品やそれを生み出す生産者の思い、産地の魅力を発信。応援する消費者の醸成、産地と消費地の新たなつながりの創出を見据え、生産者と一緒に最適な取り組みを見いだしていく。
2023年産の北海道産秋サケの親製品・魚卵製品の供給量は、前年比3割減の約5万3千トンと大幅な減産と、旬期の生鮮消化が進んで低水準となった。荷動きは単価も下方修正され、年明け前は順調。ただ、特に魚卵は競合する海外産マス子の搬入増が見込まれ、道漁連では消流安定に向け、国内の販路確保、輸出先の再構築など各種流通対策に取り組んでいく。