紋別漁協の底建網秋漁は、主体のスルメイカが苦戦している。日間格差が大きくシケも絡み昨年を下回る水揚げ。薄漁を映し浜値は木箱1箱6千円台中盤の好値を付けている。
岩手県の秋サケ漁は、回帰ピークと期待された11月下旬も大きな伸びはなく、不漁の様相を強めている。海面漁獲は12月から後期群で終盤入りし、後期で挽回しても、中期までの前年同期比約4割減を取り戻すのは難しい。
室蘭市の㈱カネサン佐藤水産(佐藤有一社長、電話0143・45・5111)が平成23年に販売を開始した水産総菜「じゃが玉」=写真。ジャガイモの衣で水産素材などを包んだ新感覚の商品で、練り製品の値上げなども受け、本州市場を中心に引き合いが増えている。
水産素材は道産秋サケやイカを使用。「食感がもちもちして、中身はジューシー」と同社。鍋やスープ、おでんの具材、焼きギョウザなど幅広い用途をアピール。発売以来、全国的に売り場を開拓してきた。
同社は「容器などを替えて『オリジナル商品に』などいろいろな要望が出てきて、重点的に扱ってくれる売り場が増えてきた」と強調。「すり身価格の上昇も影響している」と話す。
大阪市東成区にある(株)山本(山本卓秀社長)は大正元年に創業、昆布巻きを柱の一つに製造販売する。「軟らかく仕上がる」という道東産さお前を使用。漬け込みや炊き上げには、長年にわたりつぎ足し、昆布や素材のうま味が凝縮された秘伝のたれを使うなど、こだわりの詰まった逸品。直火窯でじっくりと炊き上げる昔ながらの製法で、同社伝統の味を守り続けている。
札幌市の北海道産品加工販売・株式会社尾白屋(辻義光社長、電話011・612・0468)は、チルドで長期間保存・使用できる「カニむき身」商品を開発した。特殊熱加工で製造後90日程度はゆでたてとそん色ない風味や食感などを保持する独自の殺菌処理技術を確立。供給、品質の安定に向けた生産体制を整え、来年から本格的に製造販売に乗り出す。
コンブは北海道が誇る水産物の一つで、北前船によって古くから関西など各地に流通、だしをはじめ、つくだ煮やとろろなどさまざまな形で食卓に上がり、日本の食文化を支えてきた。ただ、近年は生産・消費ともに減少傾向。本特集では、難局打開に向け取り組む産地の資源増産実証試験や普及宣伝事業、消費地の販売戦略、昆布の健康効果などを紹介する。
【福岡】 明太子製造メーカー、株式会社ふくや(川原正孝社長)が運営する業務用スーパー「たべごろ百旬館」は、一般向け昆布商品の販売も強化している。「プロが使う食材を家庭でも」という本物志向の消費者ニーズに応え、だし昆布を少量・手ごろ価格の小袋で展開。また「食べる」「健康」で訴求する商品も増やし、主力の「だし」を加えた3つを柱に構成。今後はPOPや陳列で売り場作りを工夫し商品提案、訴求力を高めていく。
2年連続で10万トン台にとどまる見通しとなった北海道の秋サケ。いくらの在庫薄と10月の台風・低気圧被害による失速で、生すじこ相場は昨年に比べ終始高値形成。親製品も全般的にはオスの浜値が昨年並みに堅調だった。生活協同組合コープさっぽろでは商品づくりなどで生秋サケが健闘した一方、生すじこは品質重視で金額は善戦したものの、数量は前年に届かなかった。生鮮本部水産部の須藤俊彦バイヤーに商戦動向を聞いた。
株式会社あかふさ食品(電話0226・23・6868)は、三陸産のサケのほぐし身を主力商品としている。鮭フレークの「the鮭」は、化学調味料無添加で、みりんと魚醤、塩のみの味付け。「ゴロほぐし塩鮭」は、調味液に一晩漬け込んで焼き、その名の通りゴロっと大きくほぐしてある。「もはやおかず」と称するほど食べ応えがある。
宮城県漁協唐桑支所(畠山政則運営委員長)は2日、防災対応唐桑地域コミュニティー無線を開局した。大震災のときに有線放送が電源喪失で機能停止に陥った反省から、自家発電とバッテリー、専用受信機で緊急時の対応を図った。地域コミュニティーのための独自番組の製作にも力を入れ、好評だ。
宗谷漁協で定置網漁を営むマルトウ石井漁業部(石井啓太代表)は、秋サケを中心に自社工場で加工し、量販店や小売店に卸販売している。また、マフグやカスベなどの混獲魚も商品化。ネット販売も手掛け、未・低利用資源の付加価値対策として販売している。