宮城県の志津川湾で天然採苗、シングルシード(一粒種)養殖したマガキの出荷開始が6月1日、予定される。昨年10月の採苗分散から事業化に移行し、「あまころ牡蠣」のブランド名で6月末までに2万5000~3万個の水揚げを計画。未産卵の生食用殻付で、脚光を浴びそうだ。
釧路市の有限会社釧路フィッシュ(平野勝幸社長、電話0154・57・5946)は、水産加工品へのチーズホエーの活用で新たに糠さんまを商品化した。ホエーに含まれる乳酸菌などが作用し、塩分高めの本漬け製法でまろやかな塩味が特長。5月から本格的に販路開拓に乗り出している。
築地市場協会など市場関連業者と東京都は3日、ことし11月豊洲へ移転する築地市場への感謝を込めて「ありがとう、築地。築地市場まつり」を築地市場内で開催した。81年の歴史に幕を下ろす築地市場を惜しむとともに、新鮮でおいしい魚介類を求め約15万人が訪れた=写真。
利尻漁協の大ヒット商品「利尻昆布ラーメン」。天然利尻昆布粉末を練り込んだ乾燥麺にとろろ昆布をトッピングしたもので、あっさりとした塩味のみで展開する。テレビ番組での紹介などで人気に火が付き、販売開始から11年目の平成25年は当初の16倍となる47万袋の実績に。全国各地のインスタントラーメンを集めた専門店「やかん亭」(本店・大阪市)でも断トツの人気を誇る。
厚岸漁協直売店は、前浜産魚介類を使ったイタリアンの加工品を打ち出している。「AKKESHiNA(アッケシーナ)」の商品ブランド名で昨年12月にカキ2品を投入=写真。従来の和風主体から洋風・中食に照準を合わせた新たな切り口の商品展開で厚岸産の消費拡大につなげていく。
函館市の珍味製造大手・株式会社布目(石黒義男社長、電話0138・43・9101)は、北海道新幹線開業を契機とした鉄路による国内観光客の増加、近年のインバウンド(訪日外国人)需要など土産品市場の新たな商機に照準を合わせた商品戦略も強化している。
函館市の水産加工・販売、株式会社山大(小林繁孝社長、電話0138・48・0231)では一昨年来進めている商品・企業ブランディングの核となるサケ商品の開発が大詰めを迎えている。特に地元・道南産のブナサケは山漬けし、かまくらに入れて低温熟成でうま味を引き出す独自製法を考案。中元商戦でのデビューを目指し、パッケージ案などを詰めている。
「産地直送」を掲げる飲食店は数多いが、札幌市内で「港町酒場もんきち商店」を展開する株式会社ラフダイニング(大坪友樹社長、電話011・251・7187)は一歩先を行く。“浜直結”はもちろん、もともと産地から札幌へ運行されていたトラックに荷を混載することで末端での価格優位性を確保、ことしから他店向けに電子受注・決裁(EC)活用の卸事業も展開している。
枝幸町の海洋食品株式会社(三國浩司社長、0163・62・3731)は、前浜・枝幸産の生原料で製造するサケ缶詰を差別化商品に位置付けていく。初年の昨年に個人客のリピーターをつかんだほか、ことしは協同購入の食材宅配、百貨店の通販に採用され、増産を計画している。