オホーツク海沿岸の8月末水揚量は、漁場造成を含め21万3753トンとなった。前年同期比1%減、計画量合計に対する達成率は69%。猿払村、枝幸、沙留、紋別、常呂・佐呂間が昨年の水揚げを上回っている。常呂は3万トンを超えた。歩留まりはピークに達し下がり始めており、8月は北部が10~11%、南部が11~12%。組成は3S主体に4S、5Sの割合が増えている。浜値も頭打ちとなり下降傾向にある。
日高中央漁協浦河地区のタコ漁は縄や箱、かごといった各漁法で操業、浜値は高く活出荷はキロ千円台を付けている。水揚げはばらつきがあり、縄の着業者は「ここ最近はサメと思われる被害も目立ってきた」と話す。ヤナギダコは資源が低迷しておりミズダコを漁獲。夏場の鮮度保持対策として一部着業船は冷水機を搭載するほか、未搭載船も氷を積み込むなどして操業する。着業者は「浜値は若干の浮動こそあるが基本的に高い。他で漁があれば下落するが、それでも活は千円を割らず、漁のない日で千円台半ばを付けたこともあった」と話し「ここ数年値段は良い」と実感する。
2024年の北海道の秋サケ定置網漁が開幕した。平成以降最低の来遊予測が示され、漁獲量は4万トン台前半の低水準が続く見通し。競合する海外産もロシア・米国のマスが不振、為替も絡んで高値相場の様相だが、水揚げの回復を見据え、通年の売り場堅守、消流の安定に向けた価格形成が引き続き焦点となる。道漁連の鳥毛康成参事兼販売第二部長に商戦展望、流通対策の重点などを聞いた。
青森、岩手、宮城の東北3県の秋サケ漁は2019年度から極度の不振が続く。海洋の温暖化によって海流や餌の環境が変わり、放流した稚魚がオホーツク海まで到達しにくくなった可能性などが指摘される。即効性のある対策は見当たらず、24年度も厳しい漁模様となる公算が大きい。各県のまとめによると、23年度の沿岸漁獲量は青森184トン(前年度比65%減)、岩手86トン(同71%減)、宮城13トン(同85%減)。3県とも過去最低で、記録的不漁となった。
2024年に岩手県で生産された海面養殖サーモンは前年比12%増の2031トンに上った。高水温の影響で計画数量に届かなかったものの、深刻な不漁が続く秋サケの23年度沿岸漁獲量(86トン)の24倍。県内6漁協が品質向上や差別化、販路開拓などにも励んでいる。
宮城県漁協によると、2024年の県産養殖ギンザケの水揚量は前年比29%減の1万2982トンにとどまった。高成長が見込める春以降の水温上昇が早く、摂餌量が鈍化したことなどが原因。季節・通年商材として需要は高く、平均単価は同9%高のキロ747円と、22年の724円を上回り平成以降で最高だった。
道水産林務部は8月27日、秋サケ資源対策検討会議の第4回会議を開き、各地域の事業体制や海域の特性に応じた環境変動に適応した資源づくりなどを基本方向に検討してきた今後の対応方針をまとめた。検討結果を踏まえ、早期に対応策を具現化し、増殖事業の施策に反映していく。
商社筋によると、2024年シーズンのチリギンの生産量はドレスベースで前年比2万㌧減の19万5千トンほどになる見通し。現地では減産を背景に「相場が強いのでは」との思惑を巡らせ、強気のオファーが続いている。冷凍ドレスの内販価格は続伸。7月中旬には4/6ポンド、6/9ポンドサイズとも前月より1キロ当たり130円上昇し、それぞれキロ1170円、1140円と1200円目前。「毎週20~30円上がる状態が続いている」という。
8月1日に開始した小樽市漁協の仮分散は後半戦に入った。採苗器の付着量は棒網1本当たり1~2万粒。通常より少ないものの計画粒数は確保できそうだ。小型主体のため作業日程がずれ込んでおり、9月前半までかかる見通し。
ひやま漁協瀬棚支所のスルメイカ釣漁は8月28日現在で地元船4隻と瀬棚港を拠点とする外来船9隻が操業。ハシリから漁獲量が伸長し、8月は1箱30尾入れを主体に全体で日量200~700箱を水揚げ。市況は1箱6千~5千円前後を付けている。漁協担当者は「ハシリからある程度漁獲量が伸びている。いまは30尾入れ主体でお盆明けの700箱が一番多かった。外来船はハシリが2~3隻だったが、8月に入り9隻に増加した」と説明する。また、仲買人は「昨年は今年に比べて漁は少なかったが7月から25尾入れも多く型が良かった」と傾向を示す。