道総研さけます・内水面水産試験場は23日、今年の北海道の秋サケ来遊予測値を昨年実績比35.5%減の1141万1千尾と発表した。予測通りの場合、3年連続の大幅減となり、昭和50年代前半の来遊数まで退化する極度の低水準。近年の小型傾向から沿岸漁獲量は3万トン割れも想定され、定置漁業経営をはじめ秋サケの加工・流通に影響は甚大。併せて種卵確保でも全道の充足率が87%にとどまった昨年に引き続き深刻な状況が懸念される。
後志管内沿岸のウニ漁は、赤(エゾバフンウニ)の出荷量が大幅に減少した昨年に比べ若干増加傾向にあるものの依然漁獲量は少なく、白(キタムラサキウニ)のみを漁獲する着業者が大半を占める。「今季はそれなりに身入りが良い」とし「あとはコンブで見えていない所にどれくらいあるか」と今後の漁況を注視している。
枝幸漁協のナマコ漁が始まった。昨年と変わらず漁獲許容量(ノルマ)は1隻7トン。初日の水揚げから地区間差が見られたものの枝幸地区では1隻400~500キロと上々のスタート。各自で乾燥作業を行い、10月後半に製品出荷していく。ナマコけた漁は14隻着業。漁獲サイズは110グラム以上。今年の漁期は6月16日~8月3日。資源保護のため8月末の漁期を短縮し毎年8月1週目に終漁。10月20日ごろに「枝幸産北海キンコ」のブランドで出荷する。
白糠漁協の丘ツブかご漁は水揚げに漁場間差があり、下側で操業する船が灯台ツブの日量ノルマを揚げるなど比較的順調な漁模様で推移している。浜値は毛ツブがキロ200円台と高く、着業者は「昨年の倍くらい」と話している。
紋別漁協所属・紋別共同定置(代表・飯田弘明組合長)の第2グループ(代表・大澤眞人副組合長)で稼働する新造船「第五翔運丸」(19トン、FRP)がこのほど竣工した。船体の大型化、ユニックの増基に加え油圧、給排水などのスイッチ盤を3カ所に配置するなど作業性、機能性が格段に向上。定置船の漁船リース事業活用は4隻目となる。6月2日に母港・紋別港でお披露目。大勢の関係者が見守る中、餅まきを行い安全操業を祈願した。
浜中・散布両漁協のさお前コンブ漁は20日に計画日数を消化し終漁した。昨年は資源状況が悪く操業を断念したため2年ぶりの採取。着業者は「順調に採れて良かった」「コンブが揚がると浜に活気が出る」と笑顔を見せる。浜中漁協は6月15日に解禁し19、20日と続けて操業した。山﨑貞夫組合長は「計画の2日間操業でき、2年ぶりにさお前を揚げられて良かった」と安どする。
福島県葛尾(かつらお)村でバナメイエビの陸上養殖を手掛ける「株式会社HANERU(はねる)葛尾」(松延紀至社長)は24日、3年間の試験養殖期間を経て初めての商用出荷を開始した。同社によると陸上養殖したバナメイエビの事業ベースでの出荷は東北初。初回出荷量は約4千尾で、年間3万尾を目標とする。当面は県内の飲食店などと直接取引する。被災地復興に弾みをつける新たな特産品として期待される。
稚貝出荷を終えた留萌管内4単協(遠別・北るもい・新星マリン・増毛)で成貝の出荷作業が進んでいる。仕向けは韓国向けの活貝主体に一部国内加工向け。浜値はキロ500円台後半~400円台後半と堅調だ。一方、昨年11月から今年2月ごろまで出荷していた三陸向け半成貝は昨季比約2割減となった。道漁連留萌支店によると、4単協合わせた韓国向け活貝の2024年度(4~3月)出荷量は前年度比28%減の3900トン、同じく三陸向け半成貝は17%減920トン。昨年末に成長不足やへい死が散見され、年明けに一定程度成長したものの、いずれも減少した。現時点では1キロ当たり6~8枚前後。4月の活貝出荷量は111トン、5月530トン。当面夏場まで続く。
青森県階上(はしかみ)町は22日、町の魚として制定しブランド化を進めてきたアブラメ(アイナメ)の正式デビューとなる「階上あぶらめ」お披露目式を開催した。漁獲時期やサイズに基準を設け、活じめ処理方法を統一し、町の産直施設でのみ販売。日本各地で水揚げされる魚種に独自性と希少性で付加価値を高め、新たな特産品として町の活性化や観光客誘致、漁業者の所得向上につなげる。
「TOSPACK」シリーズで知られる真空包装機国内最大手の株式会社TOSEI(東京都品川区)は、食品機械・技術の展示商談会「FOOMA JAPAN 2025」(東京ビッグサイト、10~13日)に出展した。さまざまなタイプの真空包装機を展示し、実演を繰り返しながら品質や作業効率の高さを示した。新基軸となる密着真空包装や、驚きの洗浄効果を引き出すランドリーシステムも紹介し、食品製造現場のあらゆる解決策を詰め込んだブースを展開した。