東京都の豊洲市場で十勝や釧路からマツダイの入荷が増えている。秋サケ定置の混獲で、例年より水揚げが増加しているのが背景。ただ、従来安定した入荷状況ではなく、なじみが薄いため、需要先の確保など供給増への対応に苦慮している。卸値は9月11日時点で広尾産がキロ千円、高値はキロ2千円ほど。仲卸業者は「いつもは青森県、岩手県、宮城県の東北太平洋側が主。北海道産を豊洲で見かけるようになったのはここ2~3年で顧客からの詳しい評判はわからない」と話す。
森漁協の大定置は、8月まで順調だった主力のイワシやサバが9月に入り低調な水揚げ。高水温の影響を懸念する着業者は、9月末以降の挽回に期待を寄せている。浜値はイワシが高値傾向。着業者はミール需要の高まりを指摘する。
えりも漁協庶野地区の秋サケ定置が9月上旬に始まったが、序盤は海水温が高く総体的に低調に推移。ただ中旬に入って若干乗網数が上向いてきた漁場もあり、着業者は今後の来遊増に期待を寄せている。
大樹漁協の秋サケ自営加工は、大樹さけ定置共同経営体が手掛ける船上活じめ製品の拡販に取り組んでいる。生鮮出荷に加え、昨年から塩蔵品(新巻き・山漬け)を差別化して売り込み。また、生筋子も血合いがなく、きれいで鮮やかな見栄えなどが評価を得て、量販店からの引き合いが強まっている。
道漁連は、本年度の道内コンブ生産見込みを1万2508トンとした。8月末時点の集計で、6月末に示した当初見込みから92トン下方修正した。過去最低だった昨年度実績(1万970トン)に比べると14%上回る。地区別では、当初見込みに比べて函館地区が233トン減3813トン(うち養殖178トン減3553トン)、日高地区は変わらず2400トン、釧路地区は198トン増3228トン、羅臼を含む根室地区は175トン増2350トン(同15トン増90トン)、北見地区は6トン増141トン、稚内地区は240トン減568トン(同128トン減109トン)。
中国の日本産水産物禁輸措置を受け、青森県は13日、ホタテの販路確保を柱とする流通緊急支援パッケージを公表した。県内外でつながりの強い小売業59社に対し取扱量の拡大を要請するほか、輸出先の転換・販路開拓を強化し国内外対策を進める。また9月中にも水産団体や国の研究機関などで構成する「戦略チーム」を立ち上げ、ホタテ生産体制の強化策などを検討していく。
北海道の秋サケ定置漁はオス、メスとも異常高騰の昨年より安値でスタートした。8万トン超の水揚げ予測、昨年産の消化・在庫状況に加え、ロシア・アラスカのマス豊漁などから下方修正の滑り出しは予定調和。ただ、価格形成は全網出そろう今週から本格化。中国の日本産禁輸措置で保管場所を含め冷凍品の行き場に懸念を抱え、生鮮消化の促進、通年商材の売り場再構築に向けた適正価格の見極めなど正念場の年となる。
株式会社ニッスイ(東京都港区、浜田晋吾社長)は、岩手県陸前高田市の広田湾漁協(砂田光保組合長)と共同で、広田湾でギンザケの海面養殖試験を計画している。県と計画内容を協議した上で、11月をめどに着手。漁場環境の調査や生産方法の検討などを行い、2025年ごろまでに事業化したい考え。将来的には年間数千トン規模の生産を目指す。
政府は4日、ALPS処理水放出に伴う中国などの水産物の禁輸措置を受けた緊急支援として、「水産物を守る」政策パッケージを発表した。すでに計上されていた総計800億円の基金に加え、中国などに依存しない輸出先の転換対策などに予備費から新たに207億円を計上。総額1007億円による5本柱の支援策を打ち出した。
東京都・豊洲市場の北海道産ニシン消流は、8月末ごろからオホーツク海産の卸値がキロ千円と異例の高値に付いている。近年コノシロの稚魚でシンコ・コハダの不漁時に代替で相場が上昇。今期も梅雨期から夏の切れ間で引き合いが増えたが、サンマとイワシの水揚げが小型に偏って生食商材向けの青魚が乏しく、脂が乗った主に網走産ニシンの代替需要が強まった。