釧路管内の成コンブ採取は20日までに全地区が終漁した。管内5単協の累計採取日数は昨年比13日増の117日(18時間増の352.5時間)。月別で7月は60日(昨年37日)と好調な滑り出しとなったものの、8月はシケや天候不順に悩まされ12日(同6日)と苦戦。9月も37日(同48日)と伸び悩んだ。ねじり採りするアツバはシケで抜け、漁は振るわなかったと指摘する声も多い。
高水温のため稚貝の本分散作業を順延していた渡島噴火湾では、9月後半から順次開始し、10月中旬の時点で大半の着業者が終盤を迎えている。地域差はあるものの成長が伸び悩み、各漁協とも一回り小さめ。数量に余裕がなく、漁協内で融通し合いながら昨年並みの量を確保できるよう進めている。
広尾漁協のシシャモ漁は苦戦の出足となった。漁は薄く、日量(箱数)が1桁の船が多い漁況。着業者は「魚が全くいない」「昨年よりはるかに悪い」と一様に厳しい表情を見せる。12日の初水揚げは39隻で1トン弱と、昨年初日の4分の1。浜値はキロ4200~3860円に付いた。18日は3トン、キロ3276~2629円だった。
宮城県名取市の閖上漁港で特産アカガイの水揚げが順調に続いている。日量500~600キロペースで、浜値は平年より3割ほど高いキロ2千円超で推移。閖上産は約8割が東京・豊洲市場に出荷され、高級食材として都内のすし店などで使われる。貝毒による出荷規制の懸念は常につきまとうが、訪日客(インバウンド)需要も追い風に、漁期を通した安定供給と好値の維持を目指す。
「鮭漁師祭り~鮭日本一のまち 斜里町~」と銘打ってサケを主体に知床・斜里産の魚介類を販売・PRするイベントが11月30日、札幌市地下歩行空間・北3条交差点広場で繰り広げられる。斜里第一漁協の定置業者が発案、斜里町や地元水産加工業者に熱意が波及し、まちを挙げた初の普及宣伝活動に発展。さまざまな角度からまちの魅力を発信し、その深化を目指す。
江戸時代から日本有数のサケ・マス産地としてその資源を活用した水産業が発展してきた斜里町。2003年から18年連続、さらに昨年もサケの漁獲量は全国1位。18年からは水産、観光関係者が連携し、「鮭、日本一のまち」を旗印に漁業を観光資源として地域・経済の活性化につなげる事業を継続。併せて近年の不安定な水揚げを踏まえ、持続可能な漁業の確立、まちの財産を守っていくための取り組みも行われている。
北海道の秋サケ定置は低気圧通過後の休漁明け9日に3800トンを水揚げしたが、その後は日量が変動し、精彩を欠く展開。9月の異常高水温から20度以下に降温以降水揚げペースが上がったものの、10月2週目は5~6万トンにとどまる様相も呈している。昨年も水揚げが持続した20日ごろまで来遊遅れを挽回する盛り上がりを見せるのか。今年の漁獲水準は今週が際限局面を迎える。
株式会社海遊(宮城県石巻市雄勝町、伊藤浩光社長、電話0225・25・6851)が販路を国内一本に絞り、売り上げを伸ばしている。東京電力福島第一原発のALPS処理水海洋放出を受け、中国や香港が日本産水産物の輸入規制を継続する中、全国のバイヤーらが集う商談会に積極的に参加。新規顧客を開拓し、9月の売上高は前年同月比4割増を達成した。徹底した安全検査体制も武器に、国内需要のさらなる取り込みを目指す。
全漁連は4日、第29回全国女性漁業者グループリーダー研究集会(全国女性連共催)を東京都内で開催し、全国から60人を超える女性漁業者らが出席した。参加者らは優良な取り組み事例の共有やパネルディスカッションを通じ、地域を越えた漁村女性のネットワークを構築。効率的で安定的なグループ活動、女性の活躍、地域の活性化などの道筋を探った。
東京都・豊洲市場の東北産サバの消流は総体的に入荷量が少なく、相場が高値で推移している。ただ、主力の太平洋側で獲れるトロールものは細身の商材が目立つため、拡販が難しい状況。一方で、ごく少数の山形県産は船上活じめをはじめ高鮮度出荷に注力しており、生食商材として一定の引き合いがあって相場が安定している。