岩手県宮古市・重茂漁協の早採りワカメ「春いちばん」が生産のピークを迎えている。1月20日に出荷を開始し、2月20日までの生産となる。日量350キロのペースで生産。1カ月間で10トンの生産を見込む。今の時期しか食べられない「シャキシャキ、つるつる」の食感に引き合いは強く、重茂地区のワカメを一足早く消費者に届けるPR役となっている。
道漁青連(尾﨑勇太会長=紋別漁協)は1月25日、札幌市の第2水産ビルで第62回全道漁協青年部大会を開いた。全道から青年部員300人が参加。研究発表、講演、腕相撲大会などを通し、研さん・交流を深めるとともに、北海道漁業の未来、浜の活性化を担っていく意識を高め合った。
養殖業の有限会社河内水産(大分県佐伯市、河内伸浩社長)はこのほど、独自の養殖技術「環境配慮型養殖『巡』」で生産したヒラメやカワハギの販売を始めた。新ブランド「巡」として道の駅かまえ内の直売所「魚屋マル道」で売り込んでいる。同ブランドのヒラメとカワハギは、株式会社三六九(ミロク)が持つ特許技術「好熱菌を用いた高温発酵技術」を活用した独自の発酵飼料で育てている。飼料はヒジキやおから、魚のあらなど人が食べられる食品素材を使用し、魚の健やかな成長を促進するとともに、うまみ成分が増し「味わいを格段に向上させる」という。
帝京科学大学の山田秀俊准教授は、三陸で水揚げされるイサダ(ツノナシオキアミ)の機能性を活用した健康食品を社会実装するためクラウドファンディング(CF)を始める。具体的には含有する機能性成分「8-HEPE(ヒープ)」の食品素材としての製造方法を確立し、その含有グミを創出。イサダを活用して健康長寿社会の実現と三陸水産業の振興への貢献を目指す。
漁業情報サービスセンター(JAFIC)は2024年の日本周辺漁海況の特徴を取りまとめ、1月29日公表した。黒潮大蛇行が継続する中、三陸~道東海域や日本海西部~中央部を中心に高めの水温が続いたと総括した。特異的な漁獲がみられた魚種にマサバを挙げ、全体的には不漁だった前年をさらに下回り、近年では最も少なかったとするも、東シナ海・日本海側での水揚量は前年を上回っていると指摘。その要因について推察している。
昨年はオホーツク海でミズダコが好調だった。年間水揚量は前年比2倍以上の漁協が多い。サイズは例年より大型傾向となり1尾8~10キロ主体の水揚げ。一方浜値も高値水準となり、高騰した一昨年より2割ほど下回るがキロ900円前後と好値を付けた。
ひやま漁協大成支所の寒ノリ摘みは漁場に付着する岩ノリの繁茂状況が例年に比べ良好。着業者は一様に「今年は漁がある」と口をそろえる。
道は1月29日、札幌市の「かでる2・7」で、第3回目の「コンブ生産安定対策検討会議」を開き、モニタリング体制の構築や既存事業の改善など天然・養殖それぞれの課題や対策の方向性を検討。育種の試験研究にも取り組んでいくことも示した。道東海域を中心とした昨年の大減産は一昨年夏から秋の海水温上昇が影響したと推察されることから、天然では海洋環境や漁場状況を把握するためのモニタリングや、種苗投入・雑海藻駆除といった既存の取り組みの効果的実施、養殖では技術向上などが課題・対策案として挙がっており、3月までに内容を取りまとめる方針。次回会議は同月中旬を予定している。
オホーツク海沿岸の2025年ホタテ水揚げ計画量は、北部、南部の12単協合計で前年実績比12%減の26万7750トンとなった。18年実績の26万6千トン以来7年ぶりに30万トンを割る見通し。前年実績より北部で1割強、南部で約1割下回る。前年計画との比較では北部が2万150トン、南部が2万トン少ない。
えりも漁協のオオズワイガニは水揚げを大きく伸ばしている。本年度の数量は1月21日現在で1300トンに達し、前年度実績(2023年4月~24年3月)を23%上回る。大サイズ主体の組成で、キロ平均単価も同2.3倍670円と高く、金額は同3.1倍9億4千万円に伸長、今後の上積みが期待される。秋サケや毛ガニの不漁に加え、赤潮以降ツブやタコ(ヤナギ)なども低迷する中、組合を支える魚種の一つに成長している。