カキの品質を総合的に競い合う「全国牡蠣-1グランプリ2025」が3月22、23日の2日間、東京都・豊洲市場で行われた。全国から集まった生産者が、新設された「カキフライ部門」をはじめ各部門で熱戦を展開。互いの技術を競い合いながら業界全体の発展を見据え交流を深めた。一般社団法人全国牡蠣協議会(門林一人代表理事)の主催。会場には北海道から九州まで全国各地の生産者が集結。「互いの技術を見て学べる貴重な機会」と、参加した全生産者らの熱気に包まれた。トーナメント形式で行われた各部門の対決は、見守る生産者たちにも刺激を与えた。
マルハニチロ株式会社は試験的に養殖していたスギ(スズキ目スギ科)の試験販売を5月に開始する。高水温に強く短期間で生産でき、脂乗りも良く、さまざまな調理方法にも対応できるなどの特長を持つ。同社や全国各地の市場を通じて主に量販店や外食向けに出荷する。2025年度は約1万尾、27年度には約10万尾の生産を目指す。
水産庁によると、2024年の同庁漁業取締船による外国漁船への取り締まり実績は、立入検査7件(前年7件)、拿捕1件(同1件)だった。しかし、日本の排他的経済水域(EEZ)で発見された違法設置漁具の押収は18件(同8件)、北太平洋公海における乗船検査は24件(同16件)となり、前年を上回った。同庁では引き続き漁業取締体制の充実強化を図り、国際的な資源管理に貢献していく構えを示している。
オホーツク海沿岸の毛ガニ漁は、浜値が過去最高値に急上昇した昨年より若干高で滑り出している。特に組成が大中サイズ中心で資源薄の小が強含み。許容漁獲量は3年ぶりに増枠となったものの、依然千㌧割れの低位。高コストの局面下、消流は冷凍品に傾斜する様相で、年末需要期の実消費に成否がかかる状況を呈している。
羅臼漁協のスケソ刺網は25日に終漁した。序盤は好漁だったものの、2月以降は減産傾向で推移。一方浜値は2月にキロ238円を付けるなど前年を上回る高値となった。1月5日に開始。佐々木明さん(第五十八孝与丸)は「個人的には昨年より良かった」と強調。「多い時で1箱20~23尾入れ主体で200箱くらい」とし「ただ2月に入ってからあまり芳しくなかった。3月頭からの流氷が来て、氷がない場所で網を巻いてもスケソがいなかった」と漁況を振り返る。
落部漁港敷地内の荷捌施設横で建設を進めていた落部漁協(藤野勝徳組合長、197人)の新事務所がこのほど待望の竣工を迎えた。組合員が一堂に会する大会議室や女性部の活動拠点にもなる食堂のほか、別棟の購買部も集約している。太陽光パネルによる自家発電装置を備え、災害時はもとより地域活動の拠点にふさわしい新施設が誕生した。
えさん漁協の養殖は、生育を促すため株密度(コンブの本数)を調整する間引き作業が行われている。各地区の部会長によると、促成マコンブはおおむね順調。一方、ミツイシは芽落ちが散見し予備コンブを活用して回復を図った。
岩手県産養殖ワカメの第2回入札会が27日、県漁連南部支所(大船渡市)で行われた。県内15漁協から塩蔵(ボイル)250トンが出荷され、中芯を除いた10キロ当たりの平均単価は2万51円(前回比20%高)だった。家屋や作業場など約210棟を焼失する大規模な山林火災に見舞われた大船渡市の浜からも今季初めて出荷され、同市三陸町綾里産の中芯抜き1等が3万12円の最高値を付けた。
道北日本海の留萌管内4単協(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)で計画している稚貝の出荷作業が、3月28日予定の遠別と北るもい羽幌地区を皮切りに順次開始される。昨年の採苗不振が響き生産粒数は大幅に減少する見通しで、前年実績の合計11億6300万粒に対し半減以下となる可能性が高い。
宮城県石巻市の水産事業者15社が協力し、22日から春休みの高校生を対象としたアルバイト型の水産業体験「すギョいバイト3」を実施している。「時給千円。豪華特典付き。1日限り」で、カキの殻むきなど漁の手伝い、加工品の製造補助や販売などさまざまな業務を用意。職場見学ではなく、一緒に働くことで業界の魅力や楽しさを高校生に伝え、担い手の裾野拡大につなげている。