羅臼漁協の春定置で、ドスイカが乗網している。有限会社丸モ田中漁業では日間差が大きいものの、多い日で20トンを超える水揚げ。田中英輔代表は「今の時期にこれだけ揚がるのは初めて」と話す。浜値も上昇しキロ100円強に付いた。
定置網などに入ってもサイズが小さ過ぎたり、なじみがなかったりなど需要が乏しく、流通に乗らない、また価格評価が低い「未・低利用魚」。命や経費をかけて沖に出る漁業者の思いを組んで有効活用の仕組みづくりが函館市で芽生えている。コロナ禍の苦境打開への模索も相まって異業種が呼応。食習慣の形成や漁獲魚種の変化に対応した商品開発など新たな水産物流通の創造に知恵を絞っている。
オホーツク海沿岸の本操業が6月から本格的にスタートした。北部は猿払村が日産400トン、宗谷が380トン前後の水揚げ。歩留まりは各地上がっており、5月時点ですでに10%を超えている状況。アソートは3S中心の地域も出始めており、昨年に続き3S前後が中心サイズとなるもよう。浜値はキロ100円台中盤から後半と好値を付けている。
大阪市の株式会社小倉屋山本(山本博史社長、電話06・6243・0011)はこのほど、新商品「ぱぱっとこんぶ」を発売した。「はぴねす乳酸菌Ⓡ」(森永乳業株式会社の登録商標)を配合した塩吹き昆布で、昆布に含まれる豊富な食物繊維と併せて「簡単においしく腸内環境を整える」ことをコンセプトに開発。ご飯にふりかけたり、料理の味付けやサラダのドレッシング代わりにもなるなど料理で幅広く活用できる。
釧路市漁協のツブかご漁はシケに阻まれ出漁日数が伸び悩んでいる。日量は船間差があるものの、おおむね堅調。価格は真ツブが好値を付けている。三日市智央釧路つぶ籠漁業部会長は「沖数が少ない中、価格が良く助かっている」と話す。
枝幸漁協のミズダコ漁が振るわない。いさり樽流しは多い着業者で日量200キロと前年同期の3~4割程度まで減少。100キロに満たない着業者も多く苦戦している。薄漁を映し浜値はキロ1400円台を付け、序盤から4桁と高騰。昨年も高値基調だったが、今年は約6割高で推移している。阿部克彦タコ部会長は「昨年の秋漁が薄く覚悟はしていた。値段に助けられている」と話す。
有限会社フジマル佐藤商店(宮城県石巻市小渕浜、佐藤泰智社長)が運営する「海 番屋フジマル」が人気だ。直売所と食堂、浜焼き小屋、休憩所を併設した複合施設。PRに力を入れるマアナゴをはじめ、ワカメやホヤ、カキなど自社で漁獲・養殖した前浜産を提供する。産地ならではの鮮度や味わい、価格を周知することで観光客を呼び込み、収益安定化と地域活性化につなげる。
水産加工の株式会社マルシュウフーズ(宮城県石巻市、吉田秀樹社長)は宮城県産養殖ホヤの販売を強化している。岩手県産を含め、今季の取扱見込み量は殻付きの原料ベースで1600トン。国内一の規模を誇る。手軽さを意識した製品や売り場で人目を引くパッケージを新たに投入。卸値を極力安くするため配送に自社便を使うなどコスト削減にも努め、国内消費が伸び悩む現状を打破する。
株式会社阿部長商店(宮城県気仙沼市、阿部泰浩社長)は、国産の小サバを原料に活用した「大船渡港町のととバーグ」を発売した。肉のハンバーグに比べ、カロリーや脂質は半分以下。ジューシーな食感を楽しみながら、1日に必要なオメガ3脂肪酸を摂取できる健康志向の総菜として訴求する。自宅で手軽にプロの味を楽しめる「ビストロ三陸」シリーズの第2弾として企画。味はデミグラスソースとてりやきソースの2種類を用意した。ととは幼児語で「おさかな」。同社は「肉のような食感が味わえるハンバーグ。子どもから高齢者まで幅広い世代にぜひ味わってもらいたい」とPRする。
いぶり中央漁協のかご漁はエビが昨年を上回る水準で推移している。5月29日現在でナンバンは前年同月比2.2倍の5.4トン、ボタンは2.1倍の1.7トンと増えている。3月にスタート。金額はナンバンが1.8倍の654万円、ボタンが1.9倍の819万円と伸びている。キロ平均単価はナンバンが18%安の1219円、ボタンが12%安の4807円。着業者からは市況の下振れを憂慮する声が上がった。