昨年8月16~31日に4つの台風が相次いで上陸・接近した北海道。波浪によって秋サケ定置網やホタテ養殖施設の損壊、天然コンブ被害や干場の砂利流出などが発生し、被害額は水産業だけで79億円に上る大災害となった。大雨の影響で流木被害も多発。特に十勝地方では海洋に流出した流木が海岸に漂着し、海底に沈んだ流木は漁網損傷や引網漁に影響を与えた。さらに河川域にはいまだ処理できない危険木も多数存在し早急な対策が求められている。漁業被害を繰り返さぬために、NPO法人環境防災研究機構北海道の専務理事・黒木幹男氏に流木被害の発生要因や対策のポイントを聞いた。
低水準のホタテ水揚量が続く北海道。平成28年度の水揚げや玉冷・ボイル消流の新年見通しを道漁連の大谷内優営業第一部長に聞いた。
「相撲部41年ぶりのインターハイ出場」「乗船実習生 無事に帰函」─―。力強い見出しが躍るのは函館水産高校新聞部が発行する『蒼海時報』。戦前からの歴史があり、休刊を経て昨年12月15日付で復刊246号を数えた。顧問の西島正秀教諭と部員7人が部活動の活躍や見学旅行など身近な学校生活を中心に紙面構成。「伝統は絶やさない」と月1、2回のペースで各情報を発信し続けている。
日本海のニシン刺網が間もなく始まる。水揚げは石狩・後志の両管内が主体。新年のスタートを切る魚種だけに漁業、加工・流通関係者の期待は大きい。
昨年7月に北海道に初進出した水産物卸・小売大手の中島水産㈱(東京都、中島明社長)は、札幌店で札幌市民の新たな需要を開拓しながら販売を伸ばしている。築地直送の強みを生かし、札幌市内では珍しい魚種でも調理しやすく簡便性を高めた商品を提供、好評を得ている。
三陸のカキで今年、シングルシード(一粒種)養殖が脚光を浴びそうだ。宮城県では昨年6月に本格デビューした天然採苗の「あまころ牡蠣」が出荷目標の10万個に達する見通し。岩手県では県水産技術センターの人工種苗が試験養殖で好結果となり注目される。また、天然採苗で最近、簡単にシングルシードが確保できる技術が開発され、この養殖の拡大を後押ししそうだ。