岩手県の釜石市漁連(小川原泉会長)は、定置網やサンマ船などの水揚げ活発化で盛漁期を迎え、自動製氷貯氷給氷施設の稼働を本格化する。プレート氷で日産50トン、貯氷200トンの能力で供給を大幅アップ。巻網なども含め大型船にもスムーズな船積みを実現するとともに、同県初の自動化システムでコストを削減、利便性も高めた。水揚げ増加にも大きな期待がかかる。
余市郡漁協のスルメイカ漁は前浜で水揚げが振るわず、8月下旬から武蔵堆で操業している。日量は8月28日に発泡730箱と、前浜操業の同24日に比べ倍増した。ただし漁場は大型船なども集中する海域で、大栄丸(19トン、長崎県)の髙橋千代喜さんは「操業場所の確保が難しい。これから挽回できるほど水揚げを伸ばせるか分からない」と話す。
渡島噴火湾で8月後半からソウハチが好漁している。落部漁協では多い船で1隻日産800キロ、森漁協でも600キロ前後の水揚げ。大きな値崩れもなく浜値はキロ100円台を維持している。一方で盛漁期に入ったアカガレイは振るわない。
北海道の秋サケ定置は8月30日、えりも以東、日本海北部を皮切りに解禁されたが、大型の台風15号の北上で十勝・釧路管内では大半の漁協が網入れを見送り。台風・低気圧の相次ぐ上陸・接近で甚大な被害が発生した昨年に引き続き、気象の影響で操業開始がずれ込んだ。今年は低来遊予想で種卵不足も見込まれ、親魚確保と自然災害への備えなどで円滑な操業に不安を抱えるシーズン入りとなった。
北海道の秋サケ定置が30日開幕する。今季の生産予想は引き続き、7万トン規模の超低水準。製品の消流は親子とも高コスト供給継続による消費減退、輸入品の先行消化など需要縮小が懸案事項。商戦の見通しや流通対策の重点について、道漁連の鈴木聡参事に聞いた。
ホタテの生産量や流通・消費動向が大きく変化する中、むつ湾漁業振興会(立石政男会長)と道ほたて漁業振興協会(阿部滋会長)が約15年ぶりに情報交換会を行った。両団体の正・副会長ら22人が参加。陸奥湾と北海道各海域の水揚げや消流状況について意見を交わした。
第19回ジャパン・インターナショナル・シーフードショーが23日から3日間、東京ビッグサイトで開かれた。国内外の魚介類や加工品、調味料、添加物、機器資材が多数出展。輸出拡大やHACCP関連セミナーの規模も拡大、海外バイヤーとのマッチングやメディア招致も強化した。
オホーツク海の建マス(カラフトマス)が不振だ。昨年は主産地・オホーツク管内が7年ぶりに1万トンを超えるなど久々の好漁となり、豊漁年の今季に期待がかかったが、オホーツク海全体で3000トンの低水準だった一昨年を下回るペース。秋サケの不漁予想も相まって浜値は高値キロ500円まで高騰している。
南かやべ漁協木直地区の定置網で21、22の両日、イナダ(1尾1~2キロ)とブリ(同3~4キロ)がまとまった。漁はいったん切れたものの、他魚種が振るわないだけに、着業者は今後のイナダ・ブリの本格乗網に期待している。