紋別漁協で延縄に着業する第三清徳丸(14トン)の清水裕次さんと第二十八福栄丸(14トン)の酒井博幸さんは、今年からマダラの船上活じめに取り組んでいる。安価時期に底値の下支えとなっているほか、知名度向上につながることを期待している。
昨年から試行的に行い今年から本格出荷に乗り出した。主に1箱3、4尾以上のサイズで1尾5~8キロを対象に船上活じめ。えら切りし放血した後、死後硬直前のタイミングで水氷タンクに入れ替え、帰港後、氷詰め発泡に移し出荷する。
函館市のイカ加工メーカー、(株)かくまん(柳沢政人社長、電話0138・45・3115)は、昨年3月の北海道新幹線開業を契機に、新たなブランドを立ち上げ、商品展開している。伝統の味を守りながら、スタイリッシュで世界に通じる商品コンセプトを追求。若年層やインバウンド(訪日外国人観光客)などの取り込みも狙ったパッケージデザインで販売提案に臨んでいる。
カレイ刺網に着業する青森県・野辺地町漁協の熊谷浩理事(勇宝丸=2.4トン)は、今年から活マコガレイを直接鮮魚店に卸し始めた。組合出荷とは別に青森市内の(有)塩谷魚店へ自ら搬入。同店の塩谷孝常務が神経じめを施し顧客に販売している。「鮮度の良い魚を少しでも高く売りたかった」と話す熊谷理事。自前の水槽には冷却器や浄化装置を整備し高鮮度出荷に力を入れる。
羅臼漁協のホタテとアカボヤの潜水漁が9月27日に始まった。ホタテは例年初日に1トン以上を水揚げするが、今年は量がまとまらず出荷を見送った。資源が減少し、ここ5年ほどは漁獲ノルマ未消化のまま切り上げているが、着業者は「操業初日に出荷できなかったのは初めて」と話す。
北海道の秋サケ定置は9月漁が平成に入って初の3万トン割れとなった。昭和50年代後半の水準に後退する様相の水揚げペース。全道的に伸び悩んでいるが、親魚確保の自主規制を実施している釧路をはじめ、十勝、日高など太平洋側の不振が顕著。原魚不足からキロ千円台で始まったメスは加工盛期に入ってさらに上昇し、根室海峡などで1600円台まで高騰。いくらやフィレーなど製品コストが大幅に増大している。
日高中央漁協様似地区のツブかご漁は4隻が着業、今年は目立ったシオムシ被害がなく昨年を上回る水揚げとなっている。第三十八漁吉丸の山中孝俊さんは「潮回りは悪いが数量的に昨年よりなんぼかいい」と言う。様似支所も「4月からの集計で昨年より3~4トン多い」と話す。
シオムシはツブかご漁の天敵。一昨年の夏場のように被害がひどいときは、餌の冷凍イワシが食べられ、かごを仕掛けた翌日には骨しか残っていないことも。そのためツブのかご入りが悪くなり水揚げ減少を招く。今季は「沖側では見えるが全般的に気にならない程度」と山中さん。
オホーツク海けた引漁は、11単協合計で9月末現在、17万6500トンを水揚げした。合計の計画量に対する進ちょく率は96%。猿払村が3万8300トン、宗谷が2万4700トン、紋別が2万2300トンなど。猿払村、頓別、枝幸、沙留の4単協が計画超え。数単協は来年の海区でも操業。一方、値決め価格はキロ200円前後で推移している。
アンリツインフィビス(株)が食品工場向けに提案している総合品質管理・制御システム「QUICCA(クイッカ)」は同社主力分野である金属検出機やエックス線異物検出機、重量検査機などからデータを蓄積して生産に関する問題点の解析などユーザーの生産活動をより確実に、具体的に下支えしている。
公益財団法人イオン環境財団が主催する第5回「生物多様性日本アワード」の授賞式が9月26日、東京・渋谷の国際連合大学で開かれた。優秀賞を受賞した宮城県漁協からは志津川支所戸倉出張所の阿部不二夫所長と戸倉カキ生産部会の後藤清広部会長が出席し、活動内容を報告した。
青森県下北、大間漁協の「アラメコンブ」(標準和名ガゴメ)の落札価格が10キロ平均5万5千円に跳ね上がった。北海道のガゴメが不作といい、代替需要で価格が例年の2倍を超えた。1日のコンブ操業で10万円前後を稼ぐ漁家が増え、「アラメさまさま」といわれる。同漁協はマコンブを含め3年ぶりの3億円に期待をかける。