札幌市中央卸売市場の仲卸・札幌シーフーズ株式会社(北村勝満社長)は、小樽市銭函5丁目に小樽工場を新設した。最新機器・設備を備え、水産会社と連携したベニザケの定塩フィレーを皮切りに、秋サケフィレーやいくら、刺身の製造など水産加工事業を本格化。北海道産の活魚・活貝なども取り扱う。来年予定されている卸売市場法改正による水産物流通の変革を商機につなげて業容拡大を目指す。
いぶり噴火湾漁協のカレイ刺網は、8月後半からソウハチが好調だ。1隻の水揚量は日産平均600キロ前後。「日網でも掛かり過ぎる」(着業者)ため半日操業で抑えている。9月6日は3隻で1トン半と依然好漁だ。
道東沖の巻網漁が本格化、マイワシが好漁に恵まれている。7日現在12カ統の操業で、数量は前年同期比5倍の1万9259トン。シケ休みもほぼなく水揚げ、浜は活気に包まれている。
昨年より1日早い8月24日に始まり、同日は1カ統595トン、翌25日も同593トンを水揚げ。28日には操業が7カ統に増え日産も1592トンと一気に増加。31日からは10カ統が操業、同日と9月2日は2400トン台、4日、6日は2900トン台に達した。
天候も良く7日現在シケによる沖止めは9月1日のみ。それ以外の休みは定時休漁などで、順調に水揚げを積み重ねている。
宮城県漁協の石巻地区など3支所はカキ漁場のASC認証取得に向け検討を重ねている。養殖のエコラベルと呼ばれる国際的な認証で、むき身の消費拡大が狙い。2020年の東京五輪も視野に入れる。
ASC認証は、環境に大きな負荷をかけず、地域社会に配慮した養殖場として認める国際的な制度。ASC(水産養殖管理協会、本部・オランダ)の基準に従って認証される。日本での初認証は同県漁協志津川支所戸倉出張所のカキ漁場で昨年3月。
石巻地区と石巻市東部、石巻湾の3支所が認証取得を検討。3支所は「石巻かきブランド化事業委員会」メンバーとなる。まだ具体的な審査日程などは決まっていないが、この秋からの漁期中に取得の可能性がある。
青森県ほたて流通振興協会は6日、首都圏の消費者160人ほどを招き「青森ほたて料理発表会」を東京・九段下のホテルグランドパレスで開いた。青森県漁連、むつ湾漁業振興会との共催。県の漁業関係者幹部が一堂に会し、都心でホタテをアピールする催しは20年ぶり。料理はもちろん、栄養士による講話あり、ミニコンサートありと盛大に行われた。
東しゃこたん漁協のエビかご漁が順調だ。昨年シオムシの食害が多かった深場でナンバンエビが捕れており、古平本所エビ篭漁業部会の茂木隆文部会長は「日量100~120箱(約300キロ)で昨年よりも多い」と話す。
4月~8月末の数量は、ボタンエビとナンバンエビの合算で前年同期比56%増78トン、金額は同71%増1億3488万円、キロ平均単価は同10%高1720円。
ボタンエビの水揚げが薄くなった7月から、ナンバンエビがまとまる深場の漁場に移動している。「深場はのし3本で操業。浅場はボタンエビ狙いで1本入れている」と説明する。
散布漁協の成コンブ漁が漁期後半を迎えている。6日現在の操業日数は、昨年より7日多い21日。着業者らは「まずまずの日数。今後も順調に出られたら」と話し今後の水揚げ上積みに意欲。品質は漁場や銘柄でばらつきがあるようだ。
7月5日に解禁しナガコンブを水揚げ。8月20日にねじり採りが解禁となりアツバも採取している。今季は最盛期の7月20日から悪天候で約2週間沖止めが続いたものの「盆後に出られた」(着業者)ことで、昨年を上回る出漁日数で後半戦に入っている。
岩手県南部でホタテ採苗が5日前後から広域化し、稚貝確保に不安定な浜が出ている。広田地区の南浜(広田湾)ではコツブムシの食害で県北から採苗器ごと移入し、この稚貝を加えて間に合わせたり、地種だけで確保を見込む生産者も。越喜来漁協の崎浜地区は付着種苗の不足で北海道産の移入が増えそうだ。吉浜漁協管内は順調に進む。
広田南浜では採苗前、コツブムシの大量発生で食害の深刻化に不安を強めた。このため、6人の生産者全員が事前に県北から採苗器を100袋ずつ移入した。
最初に採苗した1人は移入を加えて必要量を確保し早めに終えた。5日から採苗する漁家が増えると、移入種苗を使わなくても賄えそうなところが出てきた。
広田湾漁協広田支所ホタテ養殖組合の藤野勝利組合長は「ふたを開けたらぎりぎり間に合いそうだ。5月に2回に分けて入れた種袋(採苗器)の1回目はコツブムシの食害がひどいが、2回目は少ない」と話す。心配した割にある程度採れそうだが、採苗器を分けず1回で入れた人は微妙という。
日本昆布協会(大西智明会長)は7月31日~8月5日、2年ぶり3回目の産地見学交流会を実施した。会員企業社員や昆布大使ら約25人が参加。今回も稚内を皮切りに羅臼、歯舞、浜中、釧路、えりも、南かやべの主産地を訪問。水揚げや乾燥現場を視察したほか、異物混入対策や作業省力化など産地の取り組みも学び、研鑽を積んだ。
道漁連経由で道産魚介類を取り扱う全国の卸や商社でつくる「道ぎょれん会」の秋季取引懇談会が8月29日、東京都内で開かれた。シーズン入りした秋サケの親製品やいくら、ホタテ製品の商戦展望について情報交換した。