オホーツク海北部地区のけた引漁は、空貝が目立つなど4単協とも厳しい水揚げを強いられている。今季は北部合計の当初計画12万7900トンから約4万トン減の8万9200トンに下方修正。歩留まりは徐々に上がっているが水揚量は低調で、浜値は200円台と高騰。着業者は今後の水揚げに不安を抱えながら操業している。
メキシコ、中南米のカリブ海沿岸で、釧路市の水産加工業者などが水産資源開発プロジェクトに乗り出す。タコ、カニ、ナマコの3魚種を柱に新たな操業漁場を開拓し、現地で漁獲物を加工、早ければ9月から日本国内への搬入を開始する。3カ年計画で完成年の29年には取扱数量を3万7000トンまで拡大。ロシア200カイリのサケマス流網漁禁止や前浜資源の減少などで先行き不透明感を抱える北海道水産業界の原料需要に応えていく。
寿都町漁協寿都地区の寿都なまこ部会は、平成23年に操業体制を見直し、漁家の経営安定に力を入れている。既存のけた引着業者のノルマを抑えながら、新規着業者に配分。また、売上金額から経費を差し引いた収益を全部会員に分配する仕組みを確立している。
マガキ浮遊幼生の出現数を素早く簡単に調べる方法が開発され、宮城県の松島湾で今季採苗に使われる見通しだ。抗原抗体反応を用いてマガキの幼生だけを緑色に蛍光発色させ、高い精度で判別。同湾では昨シーズンまで2季連続で採苗不調となっただけに、この技術の利用で種苗の安定確保に期待がかかる。
青森県はこのほど、本年度陸奥湾養殖ホタテガイ春季実態調査結果を公表した。平成26年産の成育状況は5年ぶりに回復し平年値とほぼ同じ数値が示された。半面、収容枚数は調査を始めた昭和60年以降最も多く、同県では早急に適正化するよう求めている。
厚岸町の株式会社ヒシナカは平成3年の法人化以来、厚岸前浜産をはじめ北海道の魚介類を全国各地の市場、業務筋などに出荷している。特にカキ、アサリ、ツブなどの貝類は、24時間清浄海水を取水、使用できる畜養設備・施設を完備。品質管理と安定供給を続け、信頼の維持に臨んでいる。
秋サケの消流環境は、親製品、魚卵製品とも在庫が低水準で新漁入りする。ただ、親は輸入鮭鱒の国内相場が昨年に比べて下方修正、中国の原料需要もルーブル安を背景としたロシア産の安値供給で日本産の消化が停滞している。一方、魚卵は消費の回復途上で価格形成によっては再度縮小が懸念される状況。北海道の秋サケ業界は本年も引き続き、国内、海外両軸の流通対策を実施、魚価と消流の安定を目指す。
道南、日本海のスルメイカ漁は桧山管内に操業船が集中している。ハシリは水揚げが伸びなかったものの、7月第2週目から日産で1万箱を超える日が出てきた。また、組成はバラ中心だったが7日には4キロ25尾が6割とサイズアップした。
長万部漁協のウニ潜水漁が始まった。繁茂した海藻の影響でハシリは300キロ前後と少ない水揚げだが、種苗放流などの取り組みが定着し資源量は十分。身入りは例年より若干落ちるものの、着業者は8月以降の盛漁期で向上することに期待している。