福島第1原発の汚染水問題を受けて日本産水産物の輸入を規制している韓国の専門家委員会が13日来日し、16日までの4日間、北海道、青森県、岩手県の卸売市場などの現地調査を行った。輸入規制解除、生鮮スケソなどの輸出回復に向け、北海道の水産関係者は、放射性物質の検査徹底など安全性をアピールした。
水産庁は15日、平成27年漁期のスケソ漁獲可能量(TAC)設定に関する意見交換会を札幌市で開き、今季当初比400トン増の25万7400トンとするTAC案を示した。海域別には、日本海北部が4割減、太平洋が6千トン増、オホーツク海南部、根室海峡が同量。
冷凍・冷蔵装置製造販売の㈱MARS Company(群馬県高崎市、松井寿秀社長)は、独自の製氷・冷蔵技術による生鮮品の新たなコールドチェーンシステム「蔵番熟鮮市場」を構築、小樽港で水揚げされた鮮魚の高鮮度流通に取り組んでいる。首都圏の居酒屋に加え、(株)ダイエーが1日から千葉県市川市の店舗で実験販売を開始。7月にも販売事業の新会社を設立し、販路拡大と併せて北海道の提携出荷先を広げていく構えだ。
宮城県気仙沼市の階上地区で、養殖ワカメの刈り採り、ボイル塩蔵加工が三陸他産地に先駆け本格化した。収穫は内湾系漁場の地種からで、葉は2~3メートルに伸び順調、品質も良さそうという。同地区は三陸ワカメ入札のハシリの上場で主力となり、2月5日のスタートから期待できそうだ。
刈り採りは4日から始まり、10日ごろに活発化、15日にはほぼ全漁家に拡大した。開始は昨年と同じだが、活発化が数日早まった。地種の出来が良く昨年10月中旬に挟み込めたうえ、その後の生育も比較的順調に推移した。
戸井漁協のババガレイ延縄は12月にスタート、水揚げが本格化している。着業する松田勇一理事は「小型主体だが、漁はハシリから順調。このまま続いてくれれば」と話す。浜値は毎年好値の付く年末が安かったものの、年明け後は回復基調だ。
近く水揚げが本格化する噴火湾渡島側の2年貝(加工貝)共同値決めについて、渡島6単協は今季、実施しないことを決めた。各単協ごとに入札や単独値決めを行い出荷する。
噴火湾では近年、中国向けの両貝冷凍輸出が急増する中、渡島側は入札を実施する組合が増え、浜値は上昇の一途をたどっている。
昨年は長万部と落部が共同値決めから抜け単独値決めに移行。4単協で行ったものの鹿部は一度も上場せず、実質3単協で実施。大半が入札に上場する形となった。
このため、今季は共同値決めを行わず、各単協ごとに対応。貝毒が発生した場合のみ、足並みをそろえる方向だ。
日本昆布協会(田村満則会長)はこのほど、昆布の利用についてアンケートを実施、昆布だしを取ったことがないとの回答が全体の3割強を占めた。理由は「面倒」「粉末・顆粒だしを使う」「高価」の3つが多く、合わせて74%に。同協会は「この現実を踏まえ、より多くの家庭で昆布を使ってもらえるよう、レシピ紹介や使いやすさの工夫に努めていきたい」としている。
宮城県漁協(丹野一雄経営管理委員会会長)は9日、殻付カキをメーンにした「宮城牡蠣の家」を東京・大手町の東京サンケイビルイベントスペースにオープンした。キリングループと連携し3月30日まで期間限定で営業。ブランドカキを前面に押し出して販路拡大につなげ、大震災で打撃を被った養殖の復活を目指す。
野付漁協のホッキ部会(刀祢谷信一部会長)は、ことしから漁期や操業体制を見直し、作業の効率化・迅速化を図っている。浜値が上昇する1月から隻数を減らして水揚げを開始。併せて、保温バッグを使い鮮度保持に努め、漁獲金額のアップにつなげたい考えだ。
南かやべ漁協の定置業者、有限会社ヤマダイ尾上漁業部(木直、尾上美彦社長)は、網内に浮かぶ魚探の観測画像をタブレット端末で確認できるシステムを導入した。データはインターネットを通しタブレットに届く仕組みで、ほぼリアルタイムの乗網状況を24時間どこでも確認できるのが利点。過去の観測データも表示できる。網起こしの手順や出漁のタイミングを見計らう判断材料として活用している。