頓別漁協は本年度から、札幌市の光塩学園調理製菓専門学校で年2回の出張講座を行う。主力のホタテとサケの漁獲方法や生態を講義するほか、講座前後には調理実習用の食材として無償提供。およそ10年間継続し、産地食材の情報発信とブランドの構築を目指す。
増毛漁協のウニは8月末に終漁、スタートから好値を維持し水揚金額が昨年比2.1倍に。過去5年間で最高の8361万円となった。
数量は17%増の64トンだが浜値は8割も高いキロ平均1310円に。別苅ウニ部会の小野久夫部会長は「全道的な不漁と高歩留まりで浜値が上がった」と説明する。
オホーツクの建マス(カラフトマス)は極度の不振で推移している。今季は隔年周期の不漁年に当たるが、3000トン割れの記録的不漁だった一昨年を下回るペース。浜値はオホーツク管内で高値キロ400円台に高騰している。
宮城県の養殖マボヤは大震災後、被嚢(ひのう)軟化症の感染が見られなくなった。震災後採苗の3年子(満2歳)が今春から出荷されピークを過ぎたが、同県水産技術総合センターの調査や生産者の水揚げ、流通関係者の扱いでも発症は確認されていない。原因となる鞭毛虫(べんもうちゅう)が震災の津波でホヤとともに流失し「漁場がリセットされた」と考えられる。
宮城県石巻市桃浦地区のカキ養殖漁業者と株式会社仙台水産で構成する桃浦かき生産者合同会社(大山勝幸代表社員)はこのほど、「桃浦かき」のブランドマークを商標登録した。また、株式会社仙台水産のテレビコマーシャルと「桃浦かき」のポスターが仙台広告賞を受賞。オリジナルパンフレットも作製し広くアピールしている。
枝幸漁協のミズダコ漁が好調だ。数量は昨年の2倍、金額は1.8倍に達している。
同漁協によると、タコ箱、いさりを含めた8月24日現在の累計数量は、前年同期比2倍の794トン。すでに当初計画を59%上回っている。
枝幸漁協のけた引漁は順調に操業を重ね、今季計画量の7割に到達した。8月の盆明け以降は、徐々に獲りにくくなっており、9月からは作業時間や八尺を引く距離を伸ばすなどして上積みを図る考えだ。
日本海のウニ漁が不振だ。資源の減少に加え、天候不順で休漁の頻発も影響。特にエゾバフンが低調。一方、浜値は高値形成となり、札幌市場の卸値も品不足で高値に張り付いている。
「豊富なメニューと新鮮・旬の魚が自慢です」。道の駅「知床・らうす」深層館にある「羅臼の海味 知床食堂」は、前浜産魚介を味わえる人気店だ。社長の野村浩司さんは元漁師。定番の海鮮丼や焼き魚・煮付け定食に加え、現役時代に食べていた「漁師めし」もメニュー化。観光シーズンは店前に長い列ができる。
南かやべ漁協のコンブ水揚げは、天然が順調操業が続き、不漁だった昨年を大きく上回る見通しだ。促成は一部の浜で台風後に被害が出たが、平年作を見込む。一方、昨年大減産となった2年養殖は、今季も低水準の水揚げとなりそうだ。