大阪昆布商工業協同組合(池上時治郎理事長)は、昆布の魅力や価値を発信するPR動画を製作している。大阪の昆布が育んできた歴史や食文化、おいしさなどを伝える内容。英語・中国語の字幕版に加え長編・短編を製作。販促や食育活動での活用が期待できる。動画では北海道の昆布が北前船によって大阪に流通した歴史や、真昆布を主体とするだしが大阪の食文化を支えてきたことを紹介。組合員各社の協力を得て各種昆布製品の加工現場も映像に収め、受け継がれてきた伝統技術によってそれらが製造されていることも伝えている。
函館市主催の「令和7年度函館市水産産学連携交流会」が2月16日に南茅部総合センター、17日に戸井西部総合センターで開かれた。漁業者を中心に水産関係者が参集、保存配偶体の活用やウニ除去に伴う海藻の植生変化、ブルーカーボンなどコンブに関する講演に耳を傾けた。
財務省の通関統計によると、2025年の食用干し昆布の輸出数量は前年比3%減の326トンと過去10年間で最も少なかった。一方、キロ平均単価は上昇傾向が続いており、25年は3千円を超えた。全体の輸出数量は09、10年が600トン、11年以降は400~500トン台で推移していたが、24年は道産コンブの大減産で主力の台湾向けが落ち込んだことが影響し338トンに減少。25年はそれを若干下回った。キロ平均単価は9年連続で前年価格を上回り、25年は前年比16%高の3348円に。10年前の15年と比べると2.1倍。利尻や真昆布など各銘柄を輸出するコンブ業者は「昨年は価格が上昇した中で動きとしてはそれほど悪くなかった印象だが、今年はどうなるか」と懸念する。
総務省の家計調査によると、昨年1年間の1世帯(2人以上)当たりの昆布支出金額は、富山市が全国主要52都市の中で最も多く、4年連続全国一となった。昆布つくだ煮も同市がトップ。また、両品目とも2位には福井市が入った。昆布は富山市が2020年まで7年連続全国一で、21年は僅差でその座を福井市に譲ったものの、22年以降再びトップに。昨年は前年比10%減の1461円と伸び悩んだが首位を守った。富山県の郷土料理である昆布じめをはじめ、パンやかまぼこにも昆布が使われるなど多様な昆布食文化が形成されている。
道漁連とJRタワーホテル日航札幌は1月31日、同ホテルで、小学生の親子向け食育イベント「親子で学ぼう 海のことVol.2~昆布~」を開催した。小学校での出前授業を毎年実施している道漁青連の協力を得て、コンブの生産や特徴について教えたほかロープワークなど漁業技術も披露。また、昆布だしの飲み比べでうま味を体感してもらうとともに、だしをとった後の昆布の活用法も提案。とろろや塩昆布などを使った特製ランチも提供し、見て触れて味わい楽しく学べる内容で昆布の魅力を伝えた。
道は1月20日、札幌市の「かでる2・7」で、「令和7年度第1回コンブ生産安定対策会議」を
開き、モニタリング手法の検証や新たな増殖手法の実証試験など本年度の新規事業について説明、意見交換した。道のほか道漁連や道総研中央水産試験場、北大で構成。山口知子道水産林務部成長産業担当局長が座長を務め、今回から新たに東北大の吾妻行雄名誉教授が構成員に加わった。昨年3月に策定した「コンブの生産安定対策」に基づく、天然コンブの維持・回復に向けた取り組みでは、モニタリング手法の検証を行うため、釧路や根室、渡島で資源量調査や漁場環境把握の状況について聞き取りを実施。分析・整理し、次年度以降にフィールド調査を行いマニュアルを作成する。
道は昨年3月に策定した「コンブの生産安定対策」に基づき、新たな増殖手法の開発に向けて実証試験に取り組んでいる。高水温に弱い発生初期(発芽から幼体期)を陸上水槽で人工育成し環境耐性が高まってから漁場投入する手法。厚岸漁協などの協力を得て昨年12月に採苗、水温や光量などを制御した水槽内で育成管理を進めている。
函館のコンブ漁業者や全国各地のラーメン店主ら有志でつくる「函館真昆布新撰組」は、勉強会の実施やイベントへの参加を通し、函館真昆布に対する理解を深めるとともに魅力を発信している。全国各地に根付く人気ラーメンが一堂に会する「日本ご当地ラーメン総選挙」(実行委主催)では、スープや具材に函館真昆布を使った「昆布鶏(こぶとり)中華そば」を提供、2024年、25年と2年連続で3位に輝いた。
戸井漁協東戸井地区でミツイシ養殖を営む芳賀浩平さんは、昨年から施設の雑海藻駆除でエアーコンプレッサー(空気圧縮機)を活用している。養殖ロープなどに付着する雑海藻を簡単に吹き飛ばすことができ作業負担を大幅に軽減。「当初とは比較にならないほど楽になった」と効果を実感する。
減産傾向が続く北海道のコンブ。2025年度の生産量は、異例の大減産に見舞われた24年度(8213トン)に比べると回復するものの、過去10カ年平均(15~24年度、1万2978トン)を下回る低水準となる見込み。北海道のコンブ生産量は19年度から4年連続で過去最低を更新。22年度は1万970トンまで落ち込んだ。23年度は1万2245トンと若干回復したものの、24年度は、前年夏以降の海水温上昇により太平洋側海域を中心にコンブの付着力が低下して流出し資源状況が悪化したことなどが影響し、初の1万トン割れに低迷した。