ホタテ玉冷の2026年度消流は、引き続き輸出主導とみられるが、オホーツク海の組成が小型となれば需給バランスを不安視する関係者は少なくない。米国は保水加工向けの日本産玉冷需要が大型サイズの減少、製品高によって減退。ベトナムなど第三国経由の保水加工製品も吸い込みが弱い。すしマーケットなど外食系から小型に一定の引き合いは見込めるが、複数の関係者は「米国需要に陰りが見える」と指摘しており、新シーズンもオホーツク海の組成に注目が集まっている。
食品用凍結装置の性能を科学的・客観的に評価する認証制度が始まった。ユーザーが科学的根拠で装置の選択が可能となり、装置メーカーとユーザー間のミスマッチの解消を狙う。冷凍食品産業全体の品質・技術向上にもつなげられ、優れた商品の誕生を後押し。その恩恵は冷凍食品を口にする消費者にも還元されるものと期待される。
札幌市内で昆布巻き中心の専門店「札幌こんぶ屋」を営み、2023年に故郷のえりも町庶野地区に拠点を移し「昆布巻研究所」を開設した桑折廣幸さんは、「昆布を食べる後継者をつくる」を信条に昆布巻きを作り続け今年で50年の節目を迎えた。製造販売の傍ら昆布を通じた慈善活動や講演も精力的に行い「あっという間の50年だった」と回顧。「今後もできる限り続け商売より普及に重点を置いて昆布巻き文化を守っていきたい」と力を込める。
稚内漁協のタコ漁はいさりと箱中心に操業し、ミズダコを漁獲。年々減少傾向にあり、低調な水揚げが続いている。いさり漁を手掛ける岡田慎平タコ部会長(第十八海琉)は「昨年は個人的にまるっきり駄目」と強調。例年9月ごろに開始し「一日で100キロくらい獲れればいいかなといった漁況。獲れる量は年々確実に減っている」と減産傾向を実感する。声問地区の細川三照さん(第十八金龍丸)も「漁が少なく、型も小さい」と嘆く。5~6月前半、8月の盆明けから11月半ばまでの2回に分けて操業しており「10年くらい前は盆明けに獲れていたが、ここ数年は夏前の方がある」と説明。一方、タコ箱漁は抜海地区と声問地区が中心。抜海地区の津嶋信幸さん(第三十八海津丸)は息子で抜海地区タコ函部会長を務める幸海さんとナマコけた引漁(3月15日~4月末)がない時期に水揚げしており「最近は盛漁期がなく、タコが入らなくなった」と吐露する。
えりも漁協のオオズワイガニは、昨年度(2025年4月~26年3月)の金額実績を前年度比43%増の18億6千万円に伸ばした。順調な水揚げが続き数量が11%増2100トンに増え、キロ平均単価も26%高860円に上昇したため。鮮魚の中では取扱高が最も多く主要魚種の一つに成長したが、着業者からは「徐々に獲れる漁場が狭くなっている」と懸念する声もあり、漁の持続化に向けて今後も資源管理に努めながら操業していく。
紋別漁協のホッキ漁は日量平均1トン半と、昨年を上回る順調なペース。多い時は1隻400キロ近く揚げている。浜値は大がキロ600円台と好値だ。一方、昨年急減したエゾバカガイは水揚げしていない。
紋別市の株式会社光進水産(齊藤則光社長、電話0158・24・3300)は紋別産の加工品でブランディングに挑んでいる。原料から加工・包装までプレミアムを追求したホタテの玉冷を皮切りに、昨年サクラマスのとばを商品化。今年はホタテのオイル漬けを打ち出した。商品表記に「北海道紋別齊藤」と産地・名字を入れた統一デザインでアプローチ。自社のネット通販や紋別市のふるさと納税返礼品に加え、道産食品専門店、百貨店などの販路開拓にも取り組んでいく。
道総研中央水産試験場加工利用部は、道産マホッケの鮮度を生かした高品質の生食用冷凍スキンレスフィレーを開発した。脂の乗りが良い夏場に日網操業で古平漁港に水揚げされたホッケを、東しゃこたん漁協の加工場で当日に加工処理、急速凍結して製品化。試食調査で料理人から高評価を得て、研究協力の東しゃこたん漁協、札幌市中央卸売市場の荷受・カネシメ髙橋水産株式会社と実用化、販売展開に動き出している。
羅臼漁協で刺網を営む有限会社丸の野水産(野圭司代表)は、水揚げした魚を詰め合わせた「鮮魚ボックス」の直販が軌道に乗っている。低・未利用魚を中心に高級・大衆魚も扱い良質な魚だけを厳選。神経じめや活じめ(延髄切り)を施した鮮度の高さが売りで、産直ECサイトを通じて受注。道内外問わずリピーターが順調に増えるとともに、レビューの高評価が新規獲得にもつながり、昨年の売り上げは当初の3倍以上に伸長した。より珍しい魚だけを対象とした「へんな魚ボックス」も新たに展開するなど取り組みを深化させている。
海洋プラスチックごみの問題が深刻化し、その要因の一つとなっている漁網やロープなど使用済み漁具のリサイクルに取り組む動きが全国各地に広がっている。漁業者・漁協、廃棄物処理業者、製網会社、繊維会社、自治体などが連携。回収し、新たな漁網やロープ用原糸などへの再生、かばん・衣料品・文具・家具などへのアップサイクル、熱源利用といった展開が増えてきている。