檜山管内で取り組む海面養殖のトラウトサーモン(ニジマス)は、2025年の水揚数量・金額ともに主力のサケを初めて上回った。水揚数量は前年比43%増の86トン、金額は61%増の1億2572万円(税込み)といずれも過去最高を更新。サケやイカなど主要魚種の不振が続く中、地域漁業の代替資源として重要性が増しており、増産体制の拡大と安定化が課題となっている。
上磯郡漁協知内中ノ川地区で養殖するブランド「知内かき」は身入りが向上、殻付き主体の出荷が続いている。2月に入って餌となるプランクトンが増え、着業者は「一気に身が入った」と振り返る。早い漁家で昨年12月上旬に水揚げ・出荷を開始。着業者によると、放卵後の回復が遅く、カキが入るかご1つ分のむき身生産は年明けの段階で例年を下回る1.5キロほどと芳しくなかったが、現在は2キロ以上と例年並みまで持ち直したという。
散布漁協の養殖ウニは今季の出荷を終え、3月末現在で取扱金額が前年同期比21%増の4億5824万円(税抜き)と、本年度計画(35トン、3億5千万円)を大きく上回った。浜値は過去最高だった昨年同様、キロ1万3千円に付くなど高値基調で推移した。
北るもい漁協苫前支所に所属し、個人事業「INAKA BLUE」代表の小笠原宏一さんは、道内外でラーメン店を展開する「MEN-EIJI」代表の古川淳さんとタッグを組み、苫前産ミズダコの皮でだしを取った古川さん考案の「苫前タコラーメン」を売り出した。札幌市内の「MEN-EIJI HIRAGISHI BASE」で6日から提供開始。両者のWEBサイトでも冷凍品で販売している。
カニ、ホタテなどの加工を手掛ける紋別市のオホーツクニチモウ株式会社(内田弘二社長)は冷蔵庫用設備に高効率自然冷媒冷凍機「New Ton R-3000」(株式会社前川製作所製)を導入した。国が2050年ネットゼロ目標を掲げて推進する脱フロン・脱炭素化に対応。省エネ稼働や庫内温度の安定化など保管機能の改善・強化で、消費電力の削減、冷凍品の品質保持も見据えている。
北るもい漁協羽幌本所でカレイ刺網部会長を務める山口涼太さん(進涼丸=4.9トン)は、カスベ刺網の盛漁期が過ぎた3月ごろから来季の網支度を始めている。ポイントは「目通し」を省いた「早掛け」にしていること。「補修しづらいが仕立てる時間が短縮でき、出漁回数が増えた」と話す。作業場で漁具・漁法を説明してくれた。
1月15日に解禁、3月下旬に終漁した日高海域の毛ガニ漁は、日高振興局の集計(速報値)によると、東部海域(冬島地区を除くえりも漁協管内)が前年比39%増の12.215トンで増産の一方、西部海域(冬島~門別)が13%減の4.367トンで減産となった。全体の許容漁獲量(前年同数の19トン)の達成率は87.3%。
渡島噴火湾の加工貝(2年貝)は、長万部、落部漁協がA貝日産200トン台に増加、4月後半には終漁見込み。計画を超えた砂原、鹿部漁協は近く終漁。8日時点の6単協合計水揚量は1万3千トン余り。前年同期比は57%減、計画に対する達成率は78%。浜値はキロ500円前後で推移する。
えさん漁協の養殖は、生育を促すため株密度(コンブの本数)を調整する間引き作業が進み順次終了している。各地区の部会長によると、促成マコンブの生育はおおむね順調な一方、ミツイシコンブは今季も芽落ちが散見、予備コンブを活用したものの満度に回復できなかった着業者もいる。今シーズンから採苗の安定化を図るため成熟誘導技術(人工的に子のう斑を形成させる技術)を本格導入。これにより順調に種苗生産。昨年秋に種付けした。
地元で水揚げされた魚を地元で消費する循環づくりを目指し、日高中央漁協が取り組む「鮮魚朝市」が定着しつつある。安価な価格設定と無料の下処理サービスが支持を集め、来客数は増加傾向。鮮魚の購入や調理のハードルを下げることで魚食文化の再評価を促し、地元水産物の新たな流通モデルとして存在感を高めている。