猿払村の浜猿払漁港に荷揚げするサケ定置2経営体でつくる「浜猿払漁港漁師会」(川谷恵会長)は今季、脂の乗りで厳選した秋サケのオスに「煌(きらめき)」と冠し、出荷を開始した。脂肪計で測定、選定し、「おいしさ」を数値で見える化。併せてマイナス1~3度帯の「パーシャル窒素氷」を使用し、鮮度保持力を高める。地元仲買との連携でブランド化を進め、猿払産の知名度向上につなげていく。
戸井漁協汐首地区の下山明仁さん(第二十一明宝丸=2・3㌧)は一本釣りのブリやメバルなどを神経じめし、函館市水産物地方卸売市場に出荷している。以前は活じめで出荷していたが、さらに高品質化を目指し6年ほど前から実施。太さの異なる数種類のワイヤーを駆使し、神経が残らないように努めている。
函館市の有限会社坂井商店(坂井雄二社長、電話0138・47・3009)は、南かやべ漁協の定置網業者と二人三脚で神経じめでの高品質出荷に取り組んでいる。同社の坂井貴博専務が自ら船に乗り込んで選別、神経じめなどを実施。水揚げから出荷までの工程を一つ一つ見直し、魚に与えるストレスを最小限に抑える工夫を積み重ねている。提供先の飲食店からの評価は高く、道内外をはじめ海外の料理店からもリピート注文を得ている。
首都圏を中心に生鮮魚介専門店を31店舗展開する東信水産株式会社(東京都杉並区)は、香川県のブランド「オリーブハマチ」の販売を9月23日から全店舗で始めた。刺身やすし、切り身などの商品として提供している。
宮城県志津川湾の「あまころ牡蠣」は天然採苗で好付着が確認された。来季計画の10万個生産に向け、早ければ月内にも採苗分散。最大の課題となる安定採苗をクリアする。シングルシード(一粒種)養殖で未産卵の生食向け殻付として付加価値を高めて出荷し、事業化初年の今季は6月に約2万7000個を販売した。
古宇郡漁協のイカ釣り着業者は水揚げしたスルメイカを当日中に札幌市中央卸売市場で販売する「朝出し」を行っている。泊地区から片道2時間ほどと近い好立地を生かし、高鮮度を売り込んでいる。
白糠漁協青年部(雲津知成部長)は、「BAR一慶」(札幌市中央区)の本間一慶社長と連携、ウイスキーなど洋酒を船に積み込み、波の揺れによる味や成分変化を調べる「白糠船上熟成プロジェクト」を始めた。
札幌市の株式会社丸二永光水産マルニ札幌清田食品(佐久間利紀社長、電話011・886・6363)はことし3月に創業し、北海道産原料のすしネタ・刺身商材の製造・販売に乗り出している。3D凍結とアルコール凍結の最新冷凍技術を活用。四季折々の生鮮魚介類で高品質の付加価値商品づくりを進め、需要が伸びている国内外の生食市場に北海道産の拡販を目指す。
活じめ鮮魚「船上一本〆」を水産物の付加価値・ブランド化事業に位置付ける標津町。地域HACCPの厳格な衛生管理に取り組んで、まちの象徴でもある秋サケでは、地元企業が昨年から関東圏に構える飲食店でメニュー提供。食材の調理加工を地元加工業者が担う。船上から最終消費者まで活じめの経済価値をつなぐ窓口もでき、地域連携で需要拡大に挑んでいく。
全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)は14日、各県のJFグループ一押しの旬の魚をアピールする「プライドフィッシュ」プロジェクトの進ちょく状況や今後の取り組み方針を話し合うサポート協議会を東京都内で開いた=写真。卸売や流通、外食関係などの団体、企業がメンバーとなっており、意見を交わした。