宮城県塩竈市で、市場に流通しにくい未利用魚を活用した「塩竈フィッシュバーガー」が誕生した。水産加工のマルサン松並商店株式会社(同市、松並理恵社長)などが展開する「海の宝物プロジェクト」の一環。漁獲資源の有効活用や漁業者所得の向上を図ろうと、傷物のマダラを使って地元の高校生と共同開発した。ご当地バーガーとして売り出し、観光振興や交流人口の増加にもつなげる。
電子計測器・食品検査機メーカー大手のアンリツ株式会社(神奈川県厚木市)は魚の残骨検出に特化したエックス線検査機を開発した。2種類の透過画像を同時に得られるデュアルエナジーセンサを採用することで、微細であったり密度の低い異物でも検出を可能にした。これまで難しいとされた魚骨に対しても適用でき、太さ1ミリ以下の残骨も検出できる。「骨取り魚」といった骨取りを意識した製品向けの検査に提案する。
東京都・豊洲市場の北海道産ニシン消流は、釧路産中心の荷動き。通常入荷する網走産が切れ、代替で10月中旬から初入荷した。荷受は「網走産に負けず脂が乗っている」と手応え。また、「近年は「同じ光り物のコハダ(コノシロ)が安くなればニシンが売れなくなるという相関図が崩れつつあり、現状の引き合いは悪くない」と話す。全て相対取引で卸値はキロ800~400円。荷受は「卸値の開きは水揚げ日の相場や注文量に応じて価格を調整しているため」と説明する。
札幌のセンチュリーロイヤルホテルは、松前町の未利用海藻である天然アオノリをふんだんに使った特別メニューの提供を1日から日本料理「北乃路」で開始した。青のりの上品な磯の香りや味わいが炊き込みご飯や茶わん蒸しを引き立てて、未利用資源に潜む可能性に光を当てた。
イカのまち・函館で漁獲が増えているマイワシを有効活用した新たな産業基盤の確立を目指すプロジェクトが進んでいる。レストラン、水産加工・販売業者、漁業者らが連携。先導役に「アンチョビ」を選定し、商品の販売拡大と併せて自家製の普及などで地域の食文化を形成。イカ同様に全国に認知される土台を築いていく。
真空包装機国内最大手の株式会社TOSEI(東京都品川区、谷嶋和夫社長)は18、19の両日、仙台市の産業見本市会館サンフェスタで展示会を開いた。賞味期限切れによる食品ロスの削減を目指す機運が高まる中、高鮮度保持が可能な真空包装機への関心度もアップ。三陸・常磐など東北地方の水産加工会社を中心に約200社が来場した。
東京都・豊洲市場のスケ子消流は、気温の低下から徐々に引き合いが出てきている。北海道虎杖浜・登別地区から集荷している荷受は「仲卸を中心に大手の鮮魚専門店からの注文が来ている」と説明。仲卸業者は「卸値は高値キロ2千円、安値1300~千円での提供。例年と比べても特に高くはない」と話す。
函館大学と八雲町、水産加工の株式会社イチヤママル長谷川水産は、同町が北海道初の海面養殖事業化に取り組む「北海道二海サーモン」を使った「二味弁当」を共同開発した。19日に函館短期大学付設調理製菓専門学校で試食会を開き、6品の料理でトラウトサーモンの味わいを楽しめる和食弁当に関係者が新たな需要開拓の可能性を実感。2030年度の北海道新幹線新八雲駅開業もにらんで商品化を進めていく。
優れた道産食品や旬の味覚などを取りそろえる「きたキッチンオーロラタウン店」(札幌市中央区)は9月28日~10月18日、初めての昆布フェアを開催した。だし昆布のほかおぼろやとろろ、つくだ煮、昆布巻きといった加工品も多数販売。商品を使ったお薦めレシピに加え、主要銘柄の原藻やその特徴・用途を示すPOPも掲示、昆布の持つうま味や奥深さなど魅力を発信した。
ミノリフーズ株式会社(宮城県石巻市、渋田大和社長、電話0225・21・2704)の調理済みレトルトパウチ商品「オラの金華味 鯖水煮」が注目を集めている。サバの水煮では珍しい包装形態だけでなく、さまざまなレシピで楽しめるよう半身をそのまま詰めた点も特徴。情報番組が企画したふるさと納税の人気返礼品ランキングで1位に選ばれた。地元ブランド魚のPRにも一役買う。