雄武町の丸久水産株式会社(小谷康一社長、電話0158・84・4004)は、紋別工場の急速凍結連続式フリーザーを省エネ型自然冷媒機器搭載の機種・スチールベルトフリーザー「NeWTon」(株式会社前川製作所製)に更新した。ホタテ玉冷の製造で国が進める脱フロン・低炭素社会の実現に対応。凍結工程の高効率化で生産・供給の安定、品質向上につなげていく。
オホーツク海沿岸の漁場造成は宗谷、猿払村、紋別、常呂が100トン台の水揚げ。稚貝放流は日本海産が4月頭に始まったものの、長引くシケの影響で各単協とも数回程度。一方歩留まり、アソートは昨年より高く、キロ100円台前半と堅調だ。
渡島噴火湾(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)の加工貝水揚量は、3月30日時点で累計2万9600トンとなった。計画に対する進ちょく率は61%、前年実績比は111%と1割増産している。6単協合わせた日産数量は1200~1300トンペース。落部が300トン前後、長万部が250トン前後、鹿部、森が約200トン、砂原が170トン前後。一方浜値はキロ350円前後~330円と堅調に推移している。
オホーツク沿岸の漁場造成が3月前半から後半にかけ、北部・南部の全域で始まった。宗谷、湧別、常呂が日産100トン前後の水揚げ。歩留まりは例年並みか昨年より高く、8~9%前後の漁協もある。稚貝放流は4月から順次開始する。
海外の大幅な需要回復に伴い、2021年度は輸出主体の展開となったホタテ玉冷。米国産の減少やオホーツク産の大型組成を背景に、輸出主導の高値相場が継続している。期末在庫は払底状態とみられ、相場高のまま22年度の新物シーズンに突入する見方が大勢を占めている。一方国内消費は、年明けの一時的な停滞にまん延防止等重点措置が重なり、量販店、外食産業とも足踏みしており、消費地では価格修正を望む声が強まってきた。
最盛期に入った渡島噴火湾(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)の加工貝(2年貝)は、3月中旬時点で累計1万3500トンとなった。計画に対する進ちょく率は20%。日産は落部が300トン、長万部250トン、森、鹿部200トン、砂原170トン前後。6単協で日産千トン台で推移している。一方、浜値はキロ300円台中盤まで上昇。堅調に推移している。
いぶり噴火湾漁協の礼文、豊浦支所は、へい死対策の一環として、2021年度から国のアイヌ政策推進交付金事業を活用した稚貝の安定確保に取り組んでいる。今年も日本海側から稚貝の秋搬入を予定。搬入した稚貝の成育状況も調査していく。豊浦町に合う稚貝を選定し安定生産を図るのが狙い。23年度はブランド化を検討している。
いぶり噴火湾漁協の加工貝(2年貝)水揚げ状況は、2月末で3450トンとなった。計画に対する進ちょく率は40%。着業者は「完全回復には至っていないが生存率は向上している」と話し、3月の集中水揚げで最後の追い込みをかける。一方浜値は堅調で、キロ300円台中盤に上昇した。
総務省の全国家計調査によると、昨年1年間で1世帯(2人以上)当たりが購入したホタテの平均数量は、前年比2%減の560グラムとなり、4年ぶりに減少へ転じた。海外需要の高まりで価格が上昇し、国内消費が伸び悩んだため。100グラム平均価格は220円となり同2%高となった。
2月から各単協で水揚げが始まった渡島噴火湾(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)の加工貝(2年貝)は、長万部、落部が日産80トン前後など中旬から増加している。歩留まりや殻長の伸びはシーズン序盤のため高い状況にないものの、耳づり1本当たりの重量は10キロ台中盤の漁業者が大半を占め、成長はおおむね良好だ。一方、浜値は高値キロ200円台前半と強含み。仕向けは玉冷や生鮮のほか冷凍両貝も始まった。