青森県漁連は2024年度の水揚げ計画を前年度実績比32%減3万5千トンと試算している。主力の半成貝が33%減2万6千トンと大幅に減産する見通し。成貝も31%減8900トンと1万トン割れの厳しい計画案となった。昨年の高水温に伴う稚貝や成貝の大量へい死を受け産卵時期の出荷は控える方針のため、4月の半成貝水揚げは大幅減となるもよう。
宮城県漁協石巻地区支所でインターンシップ(就業体験)に参加した大学生2人が、持続可能なカキ養殖を国内外に証明する水産養殖管理協議会(ASC)の認証制度をポスターとチラシにまとめた。認証を取得しても価格に反映されにくく、制度に関心を示さない従事者も少なくない。海の自然環境や地域社会、労働環境に配慮した養殖業の意義を簡潔に伝える。
理研ビタミングループの理研食品株式会社(宮城県多賀城市、宮澤亨社長)と高知大は、緑藻ヒトエグサの陸上養殖を可能にする種苗生産技術を共同開発した。あおさのりの名称で流通するヒトエグサは天然、養殖物とも収量が減少傾向にある。今後は宮城、岩手両県に構える施設で、産業化に向けた実証試験を開始する。
和食文化を国内外に発信しているNPO法人日本料理アカデミー(京都市、栗栖正博理事長)と福島県内の料理人らが、常磐ものなど県産食材をふんだんに使った4種類の特製弁当を完成させた。懐石料理をベースに、トラフグのから揚げやサワラの南蛮漬け、アオサノリ(ヒトエグサ)の天ぷらなどを冷めてもおいしく食べられるよう工夫。12日、郡山市の磐梯熱海温泉・ホテル華の湯で報道陣にお披露目された。
岩手県産養殖ワカメの今季初入札会が14日、大船渡市の県漁連南部支所で開かれた。高水温とシケの影響で生産が大幅に遅れており、塩蔵の出荷量は昨年(68.7トン)のわずか3%の2.1トン。中芯を除いた10キロ当たりの平均単価は38%高の1万7075円だった。品質は実入りも良く上々。出荷は4月から本格化する見込み。
三陸沿岸で4日、イサダ(ツノナシオキアミ)漁が始まった。初日は岩手県で計73.7トンを水揚げ。1キロ当たり90~82円(平均87円)で取引された。沿岸域への親潮系冷水の波及が弱く、漁業者からは「群れが薄く、数も少ない。あまり期待できなそうだ」との声も。今季はシケの影響で休漁となる日も多い。厳しい漁模様が予想される。
青森県が公表した2023年の県海面漁業調査によると、年間漁獲量は前年比11.3%減の11万7029トンにとどまり、統計を取り始めた1958年以降で最低だった。過去最低の更新は4年連続。養殖サーモン(ニジマス)やタラが好調だった一方、主力のホタテやスルメイカ、サバが振るわなかった。漁獲金額は同4.0%減の378億1459万円だった。
宮城県産「三陸わかめ」の今季初入札会が2月27日、気仙沼市の県漁協わかめ流通センターで開かれた。塩蔵製品の入荷量は31トンと、1月下旬の大シケの影響などで昨年(70トン)の半分以下にとどまった。中芯を除いた10キロ当たりの平均単価は42%高の1万3945円。脱落などのシケ被害は東日本大震災以降で最大規模という。品質は上々で、減産懸念の高まりも受け、初回から在庫確保の動きが活発化した。
総務省の2023年家計調査によると、全国1世帯(2人以上)当たりのワカメの年間購入量は713グラムで、過去最低だった前年比で3%増にとどまった。支出額は6%増の1509円。100グラム当たりの平均購入価格は3%高の212円と、5年連続で過去最高を更新した。三陸の減産傾向を受けた高値などを背景に、国内消費は依然として低迷したままだ。
常磐ものなど福島県産食材の安全性とおいしさを国内外に発信しようと、NPO法人日本料理アカデミー(京都市、栗栖正博理事長)所属の著名料理人らがオリジナルの懐石料理を考案し、18日に福島市で発表イベントが開かれた。素材の魅力を引き出す京料理のアイデアが生かされたトラフグのこうじ漬けや、あおさ(ヒトエグサ)に彩られた酢の物などが次々に披露され、味わった関係者は「目でも舌でも楽しめる」と太鼓判を押した。