健康食として一年生の海藻アカモクへの注目が高まる中、加工・販売を手掛ける岩手アカモク生産協同組合(宮古市、髙橋清隆代表理事、電話0193・65・1315)は、独特の味わいを生かした商品展開で消費拡大を図っている。粘り気に加え、シャキシャキとした歯応えや、他の食材と合わせやすい、くせのなさをPR。ごまであえてよし、麺類に入れてもよし。資源管理に努めながら、免疫力も高める「スーパーフード」をよりおいしく、多くの人に食べてもらう考えだ。
厚岸漁協カキえもん協議会(鈴木賢二会長)は、国内初のシングルシード方式で生産する養殖カキ「カキえもん」の販促活動に力を入れている。昨年に大阪で開かれた展示会に初出展、手応えを得て、今後東京での出展も検討。近年の増産傾向に加え、全道各地でカキ養殖の新規着業やブランド化などの取り組みも広がっており、味わいや特長をあらためてPRし、一層の販路開拓を目指す。
青森市後潟で水揚げされたホヤの殻を使った手作りの「ほやランプ」が、県観光物産館アスパム内「県地場セレクト」(同市安方)で発売された。ホヤ特有のごつごつした風貌ながら柔らかな光をともすのが魅力で、漁協と福祉施設が連携して製作。販売初日の15日は30個が40分ほどで完売した。障害者が水産業分野で活躍する「水福連携」の試みとしても注目を集める。
七飯町の中水食品工業(株)(園田哲三社長、電話0138・65・5631)は、ホタテ・秋サケなどの総菜「うま煮」シリーズを主力としたレトルト食品で、長期保存が効くアルミパウチの商品形態を新たに打ち出した。災害時の非常食・防災食にもなる「おいしい保存食」の需要増大にも対応。今後も商品開発に力を入れていく。
来遊資源の低迷が続く北海道の秋サケ。5年魚の割合低下など資源構造の変化もみられ、今期も予測は2年連続の2千万尾割れ。研究者からは降海後、沿岸生活期での稚魚の生残率低下が指摘されている。長年にわたりサケの回遊と病理を研究している浦和茂彦氏(水研機構北水研さけます資源研究部客員研究員)に初期減耗(げんもう)の要因や改善策などをあらためて聞いた。
神奈川県逗子市の小坪漁協(大竹清司組合長)は6日、今年から取り組みを始めた陸上養殖の「キャベツウニ」を出荷した。ムラサキウニにキャベツを給餌し蓄養。同県水産技術センターが飼育指導、市の商工会が販売に協力しており、関係者は新たな特産品の創出に期待を寄せている。
えさん漁協尻岸内地区ほっけ刺網部会が生産するブランドホッケ「バキバキ」の春漁は、水揚げ・価格とも昨年を下回る厳しい操業を強いられた。髙島信幸部会長は「5月末に漁が切れ、昨年よりだいぶ早くに切り上げた。価格も新型コロナウイルスの影響で安かった」と振り返る。
昆布森漁協仙鳳趾地区のホッカイシマエビ漁は、ハシリに比べ水揚げが減少傾向となっている。約40年着業している村井重北海えびかご部会長は「例年では9月がメイン」と話し、今後の漁模様回復に期待する。
6月15日にスタート。6軒が着業する。村井部会長は「ハシリに比べ漁は減った。今日で40パック。ハシリは50~60パックだった」と話す。竹花敏市さんも「ハシリは40~50パックほどの日量だったが、長く続かず最近は30パック前後。あまりよくない。今日は40パックくらい」という。
ひやま漁協乙部地区の乙部支所ナマコ協議会の加工部門(日沼賢澄部門長)は、ナマコ製品の地元消費の拡大に力を入れる。11月には乙部町内で試食会の実施を計画。コロナ禍で外国人観光客の需要獲得が難しい状況を逆手に取り、地元の人においしさを知ってもらう機会にする。
同部門が製造する干ナマコ「檜山海参(ヒヤマハイシェン)」は送風式乾燥ナマコ。乾燥作業などを丁寧に実施しており、製品化まで約1カ月を費やす。イボ立ちの良さなどから高級品として存在感を発揮している。
厚岸漁協のホッカイシマエビかご漁は、1隻当たりの日量が20~30キロの漁模様で推移している。厚岸ほくかいえび篭漁業班の奥野広勝班長は「ハシリと比べ減っているが、雨の日が多い割には獲れている」と話す。
20軒が着業。6月7日にかご入れ。翌8日に初水揚げ。奥野班長は「ハシリの数量は1隻当たり50~60キロと好調だった」と説明。ただ「今年は全般的に雨天続き。最近は真水が増えた影響があるのか、エビが動かない。エビが入るかごも偏っている」と示す。