梱包や包装の世界的企業であるモスカ(ドイツ)の日本法人のモスカ・ジャパン株式会社は、水産品の梱包・出荷用として、超音波技術によるバンド掛け機を提案している。作業効率や安全性、環境配慮などさまざまな機能面で、従来の熱で接着するタイプと比較して優位性を訴求する。同社はこのほど営業技術のスタッフを増員。今後も増員を計画しており、日本の水産現場に向けて普及を促進させる。
道水産林務部の若手職員が生産と販売の橋渡し役となる「道産水産物営業プロジェクト(PJ)」チームは、道産ホッケの消費拡大に向け、三井物産株式会社と同社グループ企業・エームサービス株式会社との共同で新たなホッケ料理を開発。6月24日から7月31日の期間、エームサービスが運営する道内の企業・病院などの食堂18カ所で提供した。新料理は「フライ 山わさびソース」「ひつまぶし」「塩昆布天」「蕎麦(そば)」「アクアパッツァパスタ」の計5品を考案し、5月25日に試食会・意見交換会を実施。その中から各食堂が提供メニューを選ぶかたちで「道産ホッケ料理イベント」を展開した。
函館市の小田島水産食品株式会社(小田島隆社長、電話0138・22・4312)は、伝統製法・木樽仕込みのいか塩辛で、洋食の新たな食べ方提案や伝統食を組み合わせた新規商品を打ち出し、需要層の拡大に挑んでいる。愛顧客の要望や紹介も参考に開発。また、昨年8月には「塩辛バル」を開業。あらゆる角度から塩辛の潜在力を引き出している。
ウトロ漁協の定置業者・有限会社協和漁業部(古坂彰彦代表)は、魚料理店「OYAJI(おやじ)」の運営で知床産を発信している。漁業や魚、まちの魅力、時には人生観のトークを添えて、自船「第二十八栄宝丸」でその日水揚げした魚を使った「漁師料理」を振る舞う。“ご当地グルメ”を求めて訪れた観光客らに舌と心に残る感動体験を提供し、前浜資源の価値を高めていく。
国内で年間50万トンの水揚げを誇るホタテ。主要商材の玉冷は昨年から続く円安に伴い海外需要がけん引する形で新物シーズンを迎えた。しかし順調に動いていた輸出はこの数カ月で軒並み停滞。消費低迷で各国の在庫が滞留し、価格修正を待つ様子見の情勢に入ったことが大きな要因とみられる。製品相場は下げ基調の様相。中心サイズの3Sでキロ2千円台の情報も漏れ伝わってきた。動向を注視する内販の引き合いも低調となり、底値を探る展開に移っている。
住友ベークライト株式会社はこのほど、新たな包装形態である“スキンパック”を体感できるポップアップショップイベントを東京・代官山で開催した。食材のおいしさや長持ちといった機能のほか、見た目の真新しさをPR。訪れた人たちの関心を集めていた。スキンパックは、トレーや台紙などの上に製品を置き、その上から加熱したフィルムをかぶせて真空引きをすることで密着させる包装形態。酸素バリア性のある「おいしさスキン」は同社が開発した日本初のバリアスキンパックフィルムで、日本では同社だけの技術という。高い追従性も独自技術で、針のようにとがったものや団子のような軟らかいものなども形を崩さずに包装することができる。
飲食店、フランチャイズ事業、店舗コンサルタントを手がける株式会社サンユーライズ(横浜市西区、佐々木貢社長)の店舗は、落部や道南の産直品で他店と差別化している。落部漁協で漁業に従事する兄の佐々木正広さん(第十五幸成丸)が水揚げした魚介類を空輸。また、函館市、森町、八雲町の産地仲買からも仕入れ、「北海道産直」の強みを生かした料理を提供している。
食品卸大手の国分グループ本社株式会社と首都圏・関信越エリアを担うグループ会社は6月27、28日、展示商談会を開いた。低温フレッシュデリカ事業を伝える展示には、新しい凍結技術「ZEROKARA」(ゼロカラ)を生かしたメニューを紹介。冷凍食品やフローズンチルド商品(フロチル商品)を拡充する方針を示した。
地場産業の活性化を目指すスタートアップのReterras合同会社(リテラス、新潟県粟島浦村、本保輝紀代表)は地元漁業者や地域おこし協力隊と連携し、新サービス「粟島鮮魚直送便」を始めた。粟島周辺で獲れた魚を「津本式」で血抜きし高鮮度のまま契約する飲食店や宿泊施設、一般消費者に直送する。
斜里第一漁協の有限会社北洋共同漁業部(伊藤正吉代表)が今年打ち出したブランドサクラマス「知床桜鱗(おうりん)」が札幌市の飲食店のメニューを彩った。6月16~25日の10日間、6店舗が合同で料理フェアを開催。船上活じめ・胃洗浄などで鮮度保持を徹底、脂の乗りが厳選された素材の妙を生かし、各店が趣向を凝らした料理を創作・提供。丹精込めたサクラマスが料理人の技でグレードアップされ、伊藤代表は「自分らが獲っている魚の可能性が広がった」と価値向上に取り組む意欲を新たにしている。