めかぶやもずくなど海藻製品の総合メーカー・カネリョウ海藻株式会社(熊本県宇土市)は、同市住吉町の住吉海岸公園に海藻セレクトショップ「OKAGESAMA MOBA(おかげさま もば)」を8月4日オープンした。名前を「藻場」に由来する同店は、同社製品や地元漁協のオリジナル商品のほか、全国各地から集めたあらゆる海藻商品も販売する。オープンから1カ月、熊本を代表する観光スポットに立地することも後押しとなり、想定以上の客足に幸先の良いスタートを切っている。
枝幸町のホタテを柱とする水産物の海外輸出拡大に向け新たな事業が動き出した。町内水産加工業者はじめ漁協、商工会、運送事業者、町の13団体は「枝幸水産物輸出促進協議会」(会長・三國浩司枝幸水産加工業協同組合長)を発足。生産・加工・物流面の効果的な体制整備を目指す。農林水産物・食品の輸出拡大を支援する農水省の「GFPグローバル産地づくり推進事業」にこのほど採択され、刻々と変化する輸出環境に対応しながら、新たな輸出先の掘り起こしにつなげたい考えだ。
北海道の秋サケ定置漁はオス、メスとも異常高騰の昨年より安値でスタートした。8万トン超の水揚げ予測、昨年産の消化・在庫状況に加え、ロシア・アラスカのマス豊漁などから下方修正の滑り出しは予定調和。ただ、価格形成は全網出そろう今週から本格化。中国の日本産禁輸措置で保管場所を含め冷凍品の行き場に懸念を抱え、生鮮消化の促進、通年商材の売り場再構築に向けた適正価格の見極めなど正念場の年となる。
岩手県洋野町の水産会社・株式会社北三陸ファクトリーの下苧坪(したうつぼ)之典社長はこのほど、東京の恵比寿駅近くのイタリア料理店ALMA(アルマ)で行われたイベントで、ウニを中心に北三陸の漁業や展望について調理者と来店客に伝えた。6年前から毎年実施されているが、これまではウェブ参加で、直接の来店は初めて。
中国の日本産水産物全面禁輸措置に伴う対応として、道はホタテなどの消費拡大に向けた緊急対策を取りまとめた。道漁連と連携し、全国の量販店など約900店舗で販売・試食会を行うほか、SNSを活用した情報発信や大都市圏の駅広告で道産水産物をPRする。またオーストラリアなどで現地試食会を開き中国以外の輸出拡大を図る。これらの事業費には1億円を充てる。
えりも漁協のタコ箱は赤潮以降不振に陥っていたが、今年に入って漁が回復の兆しを見せ、冬島地区では日量1トンを超える船もある。着業者は「この先どうなるかと思ったが漁が見えてよかった」と安ど。価格も高値を維持しており、水揚げに力が入っている。
えりも漁協(坂本好則組合長)がえりも岬地区に整備を進めていた水産物荷捌施設が竣工、供用を開始した。車両の乗り入れ禁止をはじめ、漁獲物や施設の洗浄などに使用する海水の紫外線滅菌装置やサニタリー設備の導入など衛生管理の強化に加え、氷の安定供給や活魚出荷の体制を構築。漁獲物の品質・鮮度保持を徹底し、付加価値の向上につなげていく。
えりも漁協の採りコンブは7月を中心に天候とナギに恵まれ採取日数を伸ばしている。8日現在の全地区延べ日数は192日に達し、昨年実績(143日)を大幅に上回るペースで操業。ただ浜によってはシケで大量に抜けて岸寄り。海に残るコンブも傷物が多くなってきたという。
西網走漁協のシジミ漁は、後続群が順調に成長し、1人当たりの日量許容漁獲量(ノルマ)80キロをコンスタントに漁獲している。一方産卵状況について、同漁協は8月中旬に中規模産卵を確認しており、資源確保にも期待を寄せている。
札幌市の株式会社千和(竹原和男社長、電話011・299・3266)は、水産素材のパウダー加工とそれを活用した商品開発の企画・コーディネートを手掛けている。調味料、ラーメンのスープたれなどの新商品創出と併せて通常廃棄される規格外品や殻など副産物の活用を後押し。土産品向けなど市販用商品に加え、ズワイガニとシシャモのパウダーを使ったメニューを全面に打ち出したラーメン店が登場し、業務筋需要の開拓に手応えを得ている。