株式会社帝国データバンク釧路支店が集計した2022年の北海道内水産加工業売上高ランキングによると、函館市の三印三浦水産株式会社が3年ぶりに首位の座に返り咲いた。上位100社の売上高合計はホタテの輸出、いくらの市況などが好調で2年連続の増加となり、2004年の集計開始以来、初めて5千億円台を突破した。道内に本社を置く水産食料品製造企業の2022年1~12月期決算を集計。上位100社の売上高合計は5085億8900万円で、前年比17.6%(759億6700万円)増加した。
青森県漁連は19日、青森市の県水産ビルで2023年度通常総会を開き、当期剰余金6454万円(前年度比7.8倍)を計上した22年度業務報告を承認した。黒字は2期連続。ホタテの販売が好調だった。任期満了に伴う役員改選では、会長を退任した松下誠四郎泊漁協組合長の後任に二木春美横浜町漁協組合長を選出。副会長には坂井幸人佐井村漁協組合長が就いた。任期は3年。
岩手県の2022年度秋サケ稚魚放流数は9360万3千尾だった。増殖事業の持続化に向け、関係者が策定したマスタープランの実行初年度。北海道など県外から種卵を過去最大規模に調達し、計画を1860万尾ほど上回った。23年度以降も提供を受け、大型で強い稚魚作りを進め、回帰率を高めることで秋サケ資源の回復を目指す。
東京都・豊洲市場のマイワシ消流は6月中旬から北海道産の入荷が始まった。主体は島取産で、他は千葉県産や宮城県産。組成は全体的に100グラム以上。北海道産の引き合いはまだ伸びていないが、仲卸業者は「入梅いわし」商戦向け、今後の脂の乗りに期待している。
広島県福山市のオーシャンポイント株式会社(坂井英隆社長、電話084・930・0311)が江田島市に建設を進めていた主力商材・カキの加工場「江田島Oyster Factory」が竣工、7月から冷凍カキフライのラインを皮切りに稼働を開始する。最新の冷凍設備やICT自動化先端技術を導入。製品の品質向上、生産の効率化を図るとともに、冷凍製品の増産体制の確立で顧客ニーズにより一層きめ細かく応えていく。
道東沖の巻網漁が20日に始まり、釧路港にマイワシを初水揚げした。昨年初日に比べて若干型が大きく、価格は全量ミール向けでキロ43円と高く付いた。今後徐々に操業カ統数が増え漁は本格化していく。
道漁協系統・関係団体は15、16の両日、札幌市の第2水産ビルで通常総会を開き、2022年度事業・決算報告と23年度事業計画を承認した。全道組合長会議では「環境の変化に打ち克つ持続的な北海道漁業の確立」をスローガンに、最重要課題として福島第一原発ALPS処理水の海洋放出に伴う対策の特別決議と、北海道漁業の実態に即した資源管理・資源増大対策、漁業経営基盤の強化対策、次世代に向けた漁場環境の保全対策の通常決議の4項目を採択した。早期実現に向け、16日の道・道議会を皮切りに要請活動を展開していく。
根室湾中部漁協のアサリ手掘漁は、個人差はあるものの大半が1日1人当たりの上限量(80キロ)を水揚げしている。ただ、資源状況について藤林新造部会長は「減少傾向にある」と指摘。「以前に比べ80キロ採るのに時間がかかるようになった」と実感する。序盤にシケがなく順調操業が続いた昨年の同時期(6月8日現在)と比べると、数量は9%減の23トン、金額は5%減の1716万円、キロ平均単価は4%高の736円となっている。
噴火湾でオオズワイガニが異常発生している。カレイ刺網着業者によると、網外しに時間がかかるため網数を減らしており、アカガレイやソウハチは食害の影響も受け数量がまとまらない状況だ。浜値はカレイもオオズワイも安値に振れている。網は損傷が激しく「1カ月も使えばぼろぼろ」となり、着業者は「仕事にならない」と悲鳴を上げている。
渡島噴火湾の耳づり作業は大半の漁家が終了したものの、作業ペースや稚貝の成長は地区によって差が出た。森、砂原、鹿部ではザブトンかごに大量のザラボヤが付着したことで重量が増し、1度に揚げられる連数が減少したため作業が遅れ、稚貝の成長も悪化した。6月まで続けた漁家も多く苦戦を強いられたが、耳づり本数はある程度垂下できたもよう。