スケソ、ホッケ、スルメイカなど北海道の主要魚種が軒並み水揚げ低迷に陥る中、存在感が増しているのが根付資源。特に中国需要などに浜値は左右されるものの、ナマコは漁家の重要な収入源。各浜では資源の維持・増大、有効利用への努力を続けている。岩内郡、砂原、稚内の3単協の活動にスポットを当てた。
2日に札幌市で開かれた一般社団法人北海道水産物荷主協会主催の全国大手荷受・荷主取引懇談会の魚卵の部では、数の子について商社が単価安で原卵生産事業継続の危機感を伝えた一方、北海道の加工メーカーは中国加工分の道内回帰を要望。今年の商戦成功に向けては、アニサキス問題の解消を含め末端対応、消費者訴求に連携していくことを確認した。司会は魚卵部会長の加藤泰敬副会長(株式会社加藤水産社長)が務めた。
オホーツク海南部のけた引は、7単協合計で今季計画の6割に達した。雄武、沙留の進ちょく率は7割、湧別、網走は6割以上を水揚げ。各単協ともおおむね順調に操業している。
網走漁協のマス小定置は、8月に入って上向き始めた。7日は休み明け2日分で1万尾、8日は6000尾、9日は7600尾と徐々に増産。着業者はピークを迎える8月中旬以降の好漁に期待を寄せている。
厚岸漁協(川崎一好組合長)はこのほど、全国初の49トン型サンマ棒受網漁船「第二十一福長丸」を新造した。厚岸町の運上船舶工業㈲が請け負った。建造費は4億8000万円。国費補助(漁業構造改革総合対策事業)を受けた。
アジアを代表する魚食産業国際見本市のジャパン・インターナショナル・シーフードショーが23~25日、東京ビッグサイト東7・8ホールで開かれる。大日本水産会(白須敏朗会長)主催で19回目。国内外850社以上が出展し、地域自慢の逸品「プライドフィッシュ」や簡便商材「ファストフィッシュ」など目白押し。世界で愛されるすし商材や新たなマーケットのハラル対応商材、関連機器・資材など8500以上のアイテムが集まり、熱気を帯びた商談を繰り広げる。
岩手県産養殖干し(本干し)コンブの初入札が4日、宮古市の県漁連北部支所で開催された。9994個(1個15キロ主体・192トン)が上場、10キロ当たり、長切は1等の大半が2万5371円、棒は1万3000円台中心となった。昨年初回比で長切は10~15%ほど、棒は5%程度上げる落札が多く一段高。
【尾道】業務用昆布を中心に加工販売する株式会社味昆(広島県尾道市、山本哲治社長、電話0848・56・1445)は5月末、昆布の粒や粉末、スライス・パン切りの刻み(ウエット・ドライ)といったほぼ全製品を対象に大日本水産会の「水産食品加工施設HACCP認定制度」認証を取得した。衛生管理や防虫対策を徹底するなど認証取得を見越して建設した第1・第2工場、低温倉庫をベースに、チェック体制を細分化するなどソフト面も強化。高品質で安全・安心な各種製品を供給していく。
北海道立水産高校3校が使用する実習船「若竹丸」が完成し、10日、船籍港の函館市で竣工記念式が行われた。大型化、船型変更などで先代船より居住空間を広げ、遠洋マグロ延縄漁を中心に1カ月以上に及ぶ長期乗船実習での生活環境、学習機能を改善。漁労設備なども充実し、作業の安全性を高めた。北海道の基幹産業・水産業、海洋関連産業の現場で即戦力となる人材養成への活躍が期待される。