今年4月に発足した一般社団法人北海道国際流通機構(電話011・806・1460)は、会員となった生産者団体、水産加工業者などの商品を海外市場に売り込み、輸送、販売まで一貫して支援。販売・営業を担う海外企業が出資、運営に参画し、現地での商談、契約を円滑に進める体制で、海外への販路拡大を後押しする。鳥取義之代表理事は産地を回り、水産品の供給元開拓に力を入れる考えを示す。
北るもい漁協天塩支所は、学校給食に照準を合わせた消費拡大に取り組んでいる。サケの切り身やスナガレイを東京都内の小中学校だけで35校に提供。他県への供給先拡大を視野に自営加工場の増築や設備導入も計画しており、設置後の処理量は原魚ベースで2倍の30トンを想定。学校給食以外の販路拡大にも取り組む意向だ。
日本海のイカ釣りは18日まで、低調スタートの石川県が金沢市場で1日5000~1万箱と上向き、新潟市場は不漁でようやく千箱超え、酒田市場だけが好調な滑り出しだ。サイズは例年並みでバラ主体、金沢で17日から30尾がバラを上回った。漁場は能登半島の西を中心に、北は酒田沖のカマ場まで。価格は各市場とも堅調で昨季と同様だ。
畠和水産株式会社(宮城県気仙沼市、畠山和貴社長)は同市内の鹿折地区に工場を昨年新設し、同社初の設備を導入して加工度の高いアイテム作りに挑戦している。このほど、全国展開する卸に向け総菜品の供給がスタート。「顧客の評判も良く、注文を増やすケースも続いている」と卸担当者が評価するなど幸先のいいスタートを切っている。
青森県陸奥湾の半成貝出荷が本格化している。今年は成長不良が目立ち西湾の一部ではへい死も増大。過去最高の水揚げだった昨季より5割減の出荷ペースで今季計画量の進ちょく率は24%。減産は免れないが、大半の漁業者は「平年並みの水揚げに戻る感じ」と捉えている。
今年3月、青森市漁協職員から後潟漁協の組合員に転身した小鹿亮太さん(久富号=3・5トン)は、マボヤの本格養殖に力を入れている。成育は良好で初水揚げとなった4月以降、6キロ発泡で大半が10~12玉の大型サイズ。身入りの良さも評判となり、出荷先の青森中央水産からも高評を得ている。
ひやま漁協のイカ釣り転換船12隻は6月、2年目の操業を始める。昨年は船の整備が遅れて全船同時出漁できなかった状況に加えて資源量の減少で苦戦した。今年は全船が5月に石川県へ出漁、道南の解禁に備えている。
「寿かき」のブランドで知られる寿都町漁協の養殖カキの水揚げが始まった。佐藤正幸歌棄寿かき部会長が代表を務める有限会社カネショウ佐藤漁業では春の大型連休に合わせてスタート。「大きな脱落もなく、今のところ順調に揚がっている」と話す。
【四日市】藤安食品工業株式会社(伊藤安博社長、電話059・364・0248)は大正11年創業の昆布珍味メーカー。スティック状珍味の「ハチミツこんぶ」はロングセラーの一つで、小学校の学校給食にも採用されている。おしゃぶり昆布の「とろりんこ」や「梅ほし昆布」も高い人気を誇る。
道総研さけ・ます内水面水産試験場と食品加工研究センターの両機関は、サケマス増養殖に使用する飼料の低コスト化に向けた共同研究を進めている。昨年度には原料の大豆粕を発酵処理することで、含有する栄養阻害成分の低減方法を見出した。今年度から3カ年の研究で、安価な大豆粕の配合率を高めた低魚粉飼料の実用化を目指す。