余市郡漁協は本年度、ナマコの種苗放流に乗り出す計画だ。海洋環境の変化などで魚種全般的に水揚げが不安定傾向の中、好単価が望めるナマコの資源造成で、漁業生産の安定・向上を目指す。
松前さくら漁協の鳴海年蔵さんは毎年11月末~12月中旬、アブラツノザメ刺網に着業、水揚げ後に皮をはぎ裁割して出荷する。付加価値対策として始め、浜値は手を加えない通常出荷の15倍以上と手応えをつかむ。そのための道具や作業台、荷揚げに使う専用機などを考案。どれも細部までこだわったつくりで作業性を高め労力を軽減。課題は販路拡大とし「取扱業者と意見交換。買い手が扱いやすい荷造りについても学びたい」と意欲を見せる。
厚岸漁協は平成27年のコンブ計画数量を1000トンに設定。このうちさお前160トン、ナガ長切470トン、アツバ長切100トン、オニコンブ50トン、ネコアシなど220トンとしている。
両漁協が操業日をあらかじめ決める指定日開口で、今季も週2回が基本となる。組合員が箱眼鏡で見てたも採り、むき身にして出荷する。県漁連共販で入札販売し、買受人が現品を見て応札。採取は日の出から午前7時まで、ふた付き1かごが上限となる。
函館市の食品添加物販売・㈱中山薬品商会(中山一郎社長)は昨夏に子会社「株式会社医食同源」(電話0138・40・3938)を立ち上げた。函館特産のガゴメコンブを主軸に調味料や総菜などの商品開発=写真=、販路開拓に乗り出している。
白糠漁協のタコ空釣縄漁が久々に好調だ。ヤナギダコ主体で、1月~4月27日の累計水揚げは数量が前年同期比2.2倍の345トン、金額が同8割増の1億4700万円。ここ数年不振が続いてきたが、「10年周期」の好漁に向かう端緒期として着業者の期待が高まっている。
紋別漁協所属「第37昇勢丸」(2.5トン)の石岡一也さんは、タコいさりに着業して15年。「全て手作り」という仕掛けの研究に余念がない。22~23個所持するいさりの中から、最も掛かりの良いガラス玉を使った仕掛けについて話を聞いた。
春の叙勲で、北海道の水産関係者では、利尻漁協の元組合長・川原理氏がコンブ、ウニなど地域資源の増大や、地場産品の付加価値向上などによる漁業経営の安定、漁業調整やさけ・ます増殖事業の推進など水産業振興に貢献した功績が認められ、旭日単光章を受章した。
終盤に入った噴火湾渡島側の加工貝(2年貝)水揚げは、4月末で7万5000トンに達した。昨季実績比23%の増産。鹿部、砂原漁協は終漁、ほか4単協の水揚げは5月まで続く。4月の浜値はキロ250~230円と依然、高値傾向にある。
稚内漁協で唯一シラウオ刺網が行われる声問地区では3軒がゴールデンウイーク明けに操業を始める。着業者の細川裕次さんは「手間と労力の負担が大きい仕事。ただ同じ刺網漁のカレイに比べれば単価は良い」と話す。