北海道太平洋沿岸の毛ガニ漁は、釧路西部、十勝の両海域が順調に許容漁獲量(ノルマ)を消化している。一方、日高東部は昨年末で前年の6割とペースが遅く、年明けの挽回が焦点。浜値は特に十勝、日高で大サイズが安値傾向で、金額は伸び悩んでいる。
根室海峡5単協(歯舞・根室・根室湾中部・別海・野付漁協)共有海区の「29号根室沖造成」漁場は、平成28年4月から水揚げを再開する。昨年から稚貝放流を行っており、これまでの3分の1程度の2000万粒を放流。ことしも同規模の稚貝放流を予定している。
新潟県佐渡のカキは、加茂湖は宮城産種苗のへい死が減った上、身入り、価格とも良く数シーズンぶりに好調だ。真野湾は主体の3年ガキが成長、身入りとも良好で、受注出荷で順調に水揚げ、価格も安定している。
道南太平洋沿岸のスケソ刺網は12月中旬~下旬にピークを迎え、道のまとめでは12月末現在で2万7769トン(TAC消化率63%)を水揚げ。12月分の消化率は83%となった。年明けはシケも絡んで水揚げがペースダウン。水子が混じり、単価は年明け前に比べ胆振・渡島でキロ30~40円ほど下がっている。
鹿部漁協のゴッコ刺網が始まった。着業者の熊川直士(まさと)さんは「例年盛漁期は2月。昨シーズンも1月下旬からまとまった」と話し、今後の漁本格化を待ち望む。
産卵で岸寄りするゴッコを狙い浅場に網を仕掛ける。熊川さんは昨年12月22日に漁を開始し、9日現在8回操業。12月は3本(1本網3反)を刺し、日産30キロ前後、年明けは4本で10、20キロ台という。
新潟県佐渡、両津湾の大型定置網で寒ブリ(1.7キロ以上)が好漁だ。特に10キロ前後の大物が多い上、価格も例年より良く金額が伸びている。年明けはスルメイカの大漁もあってブリは減ったが、1月末まで期待できシケに願いがかかる。
早煮の草分け的商品「おとひめこんぶ」で知られる、えさん漁協椴法華地区の促成は、昨年11月下旬の種付け後、大きな芽落ち被害はなく順調に付いているが、葉体の伸びはいまひとつという。
出足好調だったひやま漁協のスケソ延縄が伸び悩んでいる。12月~1月5日現在の累計数量は前年同期比25%減の710トン。1隻3トン前後で始まった日産数量は12月下旬に1トンを割る船も。ただ浜値は強含みで金額は昨年並みを維持している。
旭川市の水産物卸・水産加工、くまだ株式会社(熊田泰也社長)はこのほど、海藻やさけ節をブレンドした「5種の海藻汁」=写真上=と、「鮭節おかか飯」=写真下=を開発、販売を始めた。「海のかけらシリーズ」と銘打って、海のミネラルを手軽に家庭の食卓に乗せる新たな商材として売り込んでいく。
「レベルが高くて驚いた」―訪れた観光客が口をそろえるのは、札幌市内の回転ずしのこと。手ごろな価格だけでなく、季節や産地を限定した厳選素材を握る名店がひしめく激戦区で、年末の“勝負ねた”や店づくりの工夫、産地への思いを取材した。