水産研究・教育機構は21日、マサバ太平洋系群の資源の状況と不漁の要因についての見解を示した。資源量が多いにもかかわらず漁場形成が不調になっているものと指摘し、その要因として、マサバの南下回遊期における海洋環境の変化によるものと推定した。秋季から冬季にかけてのマサバの南下回遊期における海洋環境の変化について、具体的には①親潮が弱勢化し、三陸沿岸への張り出しが弱くなった結果、マサバの南下回遊経路が沖合化した可能性がある②黒潮続流が沿岸寄りかつ北向きに変化したことで、日本近海の漁場における水温低下が阻害され、漁場への回遊時期の遅れや漁期の短期化が発生した。との2つの要因を挙げている。