水産加工品の展示商談会「塩釜フード見本市」(実行委員会主催)が5日、塩竈市魚市場で行われた。コロナ禍による中止(2021~23年)を挟んで商品展示を主体とした本格的な開催は5年ぶり。塩竈市エリアの22社がブースを構え、練り製品や漬け魚、干物など全国有数の水産都市ならではの商品をアピール。会場には県内外から卸売業者や量販店などのバイヤーら約300人が来場。活発な商談が繰り広げられた。
GSK株式会社(大阪市、小屋敷一雄社長、電話06・4302・3470)の特殊低温冷風乾燥機「テイストモディファイア」は、独自の「鮮じゆく製法」で最良の食感・うま味を持つ「ソフト干物」をつくり上げる。導入現場は加工場や小売店など水産関係の広範に及んで、魚の価値向上、柱商品・特産品の創出をはじめ低利用魚、規格外などの活用も後押ししている。
東京都・豊洲市場の北海道産いくら(しょうゆ・塩)消流は、末端が仕入れに二の足を踏む高止まりで荷動きが鈍っている。ただ、一部の仲卸業者は小分けで販売単価を抑えるなど需要獲得を図っている。卸値はしょうゆの一番手がキロ1万1500円、塩が1万4千円。北米産マスいくらは6900円。
宮城県石巻地域の水産加工品を集めた展示商談会「石巻フード見本市2025」(実行委員会主催)が1月24日、石巻魚市場で開かれた。22社がブースを構え、三陸屈指の水産都市で磨き上げた自慢の品々をアピール。同市場では3日前に県の水産加工品品評会が行われたばかり。その熱気が残る会場には全国から約120社のバイヤーが参集し、活発な商談が繰り広げられた。
東京都・豊洲市場の北海道産ニシンは、産卵期で身痩せしているため、売れ行きが伸びていない。仲卸業者らは「商材が全般的に少ない時に仕入れるピンチヒッター。シケが多いこの時期は鮮度のよいものを選んで仕入れている」と口をそろえ、卵や白子を使った料理を提案しながら販売している。
マルハニチロ株式会社は2025年春季の新商品41品、リニューアル品12品を3月1日から(一部を除く)順次発売する。簡便さと本格さを兼ね備えた市販用商品や、健康意識の高まりに対応する栄養機能食品を新たに発売。インバウンドによる魚食ニーズの増加や、調理現場や施設での人手不足に対応する業務用商品のラインアップを拡充した。
海外の食品加工機械を輸入販売する東亜交易株式会社(東京都杉並区)は、精細な皮むき作業を可能にした全自動スキンナーの販売を始めた。これまでの全自動式では困難だった魚類にも対応し、手作業に近い皮むき品質に仕上げられる。皮のみ除く薄めだけでなく、レバー操作だけで厚めにむくことも調整できるため、血合いの除去にも活用できる。ドイツ・マーヤ社の「ESB4434 WF(ホワイトフィッシュ)」はコンベヤー式のスキンナーで、投入原料を感知して刃物を動かすセンサーの搭載により、自動で皮むき作業を行う。
一般社団法人北海道水産物荷主協会(会長・根田俊昭株式会社マルキチ社長)は昨年(2024年)も道内の「子ども食堂」と連携した道産水産物の魚食普及推進事業を実施した。4年目の今回は、ホタテ加工品を使った親子で作れる料理レシピや水産加工品にスポットを当てた食育用パンフレットを172カ所に配布。十勝管内の3カ所ではレシピを活用した料理の試作・提供などを行った結果、調理ボランティアから「手間がかからず作りやすく、常用メニューに加えることができる」などと好評を得ている。
北るもい漁協羽幌本所に所属する桜井漁業部(桜井健一代表)は、刺網で水揚げしたカレイやホッケなどの加工品販売に乗り出した。昨年11月に作業場を備えた販売店舗「北のこんぶ小屋」をオープン。その名の通り前浜で採取している天然コンブの加工品も自慢の一品だ。6次化構想の夢が現実となった今、桜井さんは「バーベキューを楽しめるスペースも確保した。人が集まるグルメスポットを目指したい」と意気込んでいる。
東京・豊洲市場で5日に行われた初競りで、青森県大間産の一番マグロが2億700万円で落札された。キロ単価は75万円、重さは276キロで、昨年の落札額を大きく上回り、史上2番目の高値を記録した。競り落としたのはすし店などを展開する「ONODERA GROUP(小野寺裕司社長)」と大物仲卸業者の「やま幸」(山口幸隆社長)。