昆布森漁協のさお前コンブ漁は計画日数(3日間)を消化し終漁した。着生状況は漁場間差があったものの、比較的繁茂している汐見などに船が集中。昨年は資源量が乏しく操業を見送っただけに、2年ぶりの採取に浜が活気づいた。 解禁日翌日の9日に始まり10日、13日と操業した。
北海道ほたて漁業振興協会は12日、札幌市内第2水産ビルで通常総会を開催。2025年度は全道水揚げ計画が33万6千トンと6年ぶりに40万トンを下回る見通しの中、生産・流通の柔軟な対応を図り国内外の販促強化を進める。任期満了に伴う役員改選では会長に沖野平昭会長代理を新任した。24年度事業報告について、玉冷は米国減産や円安基調の為替動向から輸出主導に伴う流通価格の高値推移によって国内売り場の維持対策を継続。冷凍ボイルは中国の輸入停止措置で大きく増産し量販店主体に販促強化。輸出促進対策ではアジア圏の末端業態向け消費開発などを実施。流通対策費は計画比58%減6274万円、消流宣伝事業費は同15%減8467万円などとなり、繰越金は2億7520万円。
サロマ湖で漁獲する湧別漁協のウニ漁は、昨年より身入りが向上し出荷量が増加している。塩水パックのA品100グラムは4~5月に前年同期比36%増911キロと伸長。資源保護のため許容漁獲量(ノルマ)は減少しており、6月前半でノルマを達成した着業者もいる。漁期は4~6月。けた網でエゾバフンを漁獲。今年の全体ノルマは35トンから30トンに下方修正され湧別、常呂漁協が各2トン減12トン、佐呂間漁協が1トン減6トンに見直した。
浦河町と日高中央漁協が連携して取り組むトラウトサーモン(ニジマス)の海面養殖試験は魚が順調に成育している。3日現在のへい死数約160尾、へい死率8%。町の担当者は「5月に入って水温が上がってきてから成長が伸び、5月中ごろの測定調査では1尾2キロ以上もいた」とし、6月末頃予定の水揚げの好実績に期待を寄せている。
岩手県盛岡市で11日、県産食品材をバイヤーに向け試食展示し販路開拓・拡大を図る「いわて食の大商談会2025」が開催された。県や株式会社岩手銀行などの主催。出展104社のうち17社が水産関連商品を出品、国内はもちろん中国や東南アジアからも参集した168社・350人超のバイヤーらに対しこだわりの商品を熱心に提案、活発な商談が繰り広げられた。
仙台市若林区の市中央卸売市場に7日、米アラスカ州カッパーリバー(CR)産の新物塩筋子(ベニ子)が今季初入荷した。三井物産シーフードの製品で、日本人職人を現地へ送り、鮮度が良いうちに漬け込んだものをチルド空輸した370キロ(1箱5キロ入り74箱)で、前年の初回入荷時(315キロ)より17%増。塩筋子は宮城をはじめ東北各地で需要が多く、CR産のチルド入荷は初夏限定。鮮魚専門店など業務筋からの引き合いが強く、過去最高値で取引された。
利尻漁協沓形地区でコンブ養殖を営む中辻漁業部(中辻清貴代表)は人材育成と併せた養殖規模拡大を視野に入れている。中辻代表の下で5年間経験を積んできた平川力樹さんを筆頭に、同漁業部で働くメンバーが着実に成長。新たに迎え入れた新規就業者にも漁業技術や思いを伝えて組織力を強化、増産につなげる考えで、乾燥施設を1棟新設する計画。既存の大型施設2棟と合わせ計3棟での生産体制を構築し「水揚げを今の倍くらいまで増やしたい」と展望を示す。
「守りぬく 光輝く 豊かな海」をメインテーマに「第1回北海道豊かな海づくり大会」が1日、小樽市で開かれた。厚岸町で2023年9月に開催された「第42回全国豊かな海づくり大会北海道大会」を契機に大会の理念を全道に広く波及させ、オール北海道で取り組みを推し進めるために北海道主導で初開催。小樽水産高校の研究発表や大会宣言などの式典行事、ニシン種苗の放流行事などを通し、日本の食を支える北海道の海の幸と豊かな海を守り育て次世代に引き継いでいくことを再確認するとともに、北海道水産業界の決意を道内外に発信した。
東京都・豊洲市場の真ツブ消流は相場が下落後に安定している。主力産地・厚岸からの入荷が順調で、落ち着いた水準となり、飲食店での利用拡大につながっている。サイズ別の価格差も明確になり、用途に応じた使い分けが進んでいる。4月以降、相場が下落傾向となり、飲食店でも利用しやすい状況が生まれている。6月2日時点では5キロ入り12~13玉でキロ4千円。仲卸業者は「相対で少し値引きしてもらえれば、顧客に4千円で供給できる。売れて店頭在庫が減ったので、ひと回り小さいホッキの箱に入れ替えて展示している」と話す。
水産庁は6日、2024年度の水産白書を公表した。特集では海洋環境の変化による水産業への影響と対応について取り上げた。海洋環境の変化が、水揚量の減少や出漁の見合わせなど漁業経営への影響となっているが、利用可能な資源への転換、新たな漁法の導入など水産業を持続させるために着手している取り組みについて示した。白書を通し、広く国民の関心を促し、日本の水産業について理解してもらうことを目指している。