道開発局室蘭開発建設部苫小牧砂防海岸事務所が海岸保全を目的に2000年から整備を進めている胆振海岸白老工区の人工リーフ(潜堤)造成は、波消しブロックでは道内初となる水産協調型の構造を採用している。浅海資源の生息場に機能し、ウニの間引き採取など漁業振興を助長。また、コンブなど着生・繁茂した海藻類は藻場を形成し、ブルーカーボン(BC)生態系として「Jブルー・クレジット」の認証取得につなげている。
道総研さけます・内水面水産試験場は、北海道に回帰する秋サケの新たな資源評価手法の開発を進めている。従来14地区に分けて各地区の来遊数を資源評価の指標値に使用しているが、回帰時の回遊行動で他地区の放流資源を相互に漁獲利用している状況がみられ、その相互作用を考慮した「資源動態モデル」(計算方法)を構築し、資源評価の指標値を推定。併せて近年高水温化する沿岸漁獲時の海水温の影響も組み込んで、資源評価・予測の精度向上を目指している。
3月に始まった湧別漁協のニシン刺網が順調なスタートを切った。序盤はサロマ湖内で1隻日量数トンと好漁、3月末~4月頭は外海で多い船が日量1トン前後の水揚げ。サイズは大主体、高値はキロ400円台と堅調に推移している。
羅臼漁協のバフンウニたも採漁は解禁日の1月15日に初水揚げしたものの、以降3月末まではシケ続きで操業回数が伸び悩み。一方、出荷軒数の多い殻付きが3月4日には50隻で2.4トンを出荷し、浜値は高値でキロ2850円に付いた。
道水産物検査協会がまとめた2024年度の道産コンブ格付実績は、前年度比33%減の8213トンと過去最低に落ち込んだ。渡島や日高、釧路、根室、宗谷といった主要地区が軒並み過去最低を更新。太平洋側を中心に23年の記録的高水温で採取対象となる資源が減少したことなどが影響した。道内全体の格付実績は減少傾向が続き、19年度以降4年連続で過去最低を更新、22年度はピークだった1989年の約3割となる1万970トンまで低迷した。23年度は1万2245トンと低水準ながら5年ぶりの増産に転じたものの、24年度は初めて1万トンを割り込む異例の大減産となった。
加工貝(2年貝)の水揚げ最盛期を迎えている渡島噴火湾では、6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)合わせ日産1600トン超え。4月1日時点の累計数量は前年同期比5%増の2万3474トン、計画達成率は52%に達した。一方浜値はキロ600円前後まで高騰している。
根室湾中部漁協のニシン刺網は昨年を上回る水揚げ。3月29日現在で数量は前年同期比2.5倍の37トン、金額は2.3倍の約500万円に伸ばしている。一方キロ平均単価は9%安の136円に下落している。
宮城ほや協議会(田山圭子会長)はこのほど、ホヤをPRする「ほやドル」として活動するシンガー・ソングライター、萌江さんに感謝状を贈った。ホヤの認知度向上や消費拡大に貢献した個人、団体を表彰するもので、今回が初年度。フレンチシェフの三國清三さんにも贈呈している。(3月24日付既報)
岩手県山田町の三陸やまだ漁協(菊地敏克組合長)が、密漁監視システムの本格運用を開始してから4月で1年がたつ。夜間でも養殖施設や船舶の判別が可能な赤外線ライト内蔵のカメラ4台で山田湾内をくまなく監視。録画も可能で、インターネットを介しスマートフォンなどで漁場を遠隔監視できる。同漁協は「導入後1年間の密漁被害はゼロ。システム導入自体が抑止力となっている」ととらえている。
日高管内新ひだか町、新冠町の鮮魚卸、水産加工業者ら5事業者が互恵の取り組みで前浜産の活用を進めている。それぞれの得意業務を共有し、獲れた魚介類の円滑処理、仕事・商品づくりなど相互利益を創出。これまで日高昆布だしで味付けした開きホッケやマダラの漬け魚・フライ・珍味などの商品も生み出している。