東しゃこたん漁協のスケソ刺網が3日に始まり、近年では久々に順調な滑り出しを切った。特にオカ側で好反応を示している。一方、浜値は漁がまとまり、卵も未熟のため、キロ120円と昨年より20~30円安の出足となった。
青森県、大畑町漁協の定置組合は3経営体が3カ統ずつ9カ統操業し、3年ごとに3カ統全ての漁場を順番に交代する。6経営体18カ統があったが撤退などで減り、残った3経営体が好漁場を選び海面を広く利用。漁獲と経営を安定させ、平等に水揚げしている。漁場移動の際に側張りも含めて網揚げし破網などの事故を未然に防いでいる。
噴火湾のエビかご秋漁が終漁した。森、砂原、落部の3単協とも好調で昨年以上の水揚量。中盤に切れる場面も見られたが大半は日量1隻100キロ以上と最後まで順調だった。
宮城県北部のワカメ養殖で、内湾漁場を中心に種苗の幹縄への挟み込み作業が活発化している。「地種」「塩釜種」とも芽落ちがあったが、多くの浜で必要量を確保できる見通しだ。これから外洋漁場に挟み込まれる他県産種苗は「順調」と伝えられる。
北海道の秋サケは11月に入っても低調な水揚げが続いている。今季善戦の日本海が終漁、道東では漁がなく白糠漁協などで切り上げた漁場も出ており、昭和50年代以来の5万トン前後にとどまる凶漁は確定的だが、今後、えりも以西の噴火湾、道南など後期群が厚い地区の上積みが注目される。
サロマ湖3単協でカキの出荷が始まった。1年カキは原盤の付きが例年より薄く2年カキは死滅の割合が高いため、今季出荷量は昨年を下回る見通し。異常発生したイガイの大量付着もカキの成長に少なからず影響している様子。浜値は強含みの傾向にあり、着業者は需要が高まる年末年始に向け、身入り向上と消費増大に期待している。
稚内漁協の髙井博次さんは昨年11月にカレイや特別採捕の毛ガニ刺網船・第二海運丸(14トン)のサーチライト、甲板や機関室の照明をLEDに切り替えた。装備の老朽化に伴う更新。「明るく作業効率が向上した」と話す。
青森県今別町でサーモントラウト(海産ニジマス)の養殖が10月27日、始まった。県の養殖試験で、引き続き深浦町の海面2カ所に幼魚が入り、昨シーズンの深浦1カ所から拡大。水揚げは来年6月が見込まれ、合わせて100トンが目標。支援する日本サーモンファーム株式会社(岡村恒一代表取締役社長・深浦町)は来季から事業として本格化、当面1000トンまで伸ばしたい考えだ。
道南の福島町は、福島漁港内でアワビの陸上養殖加工施設の建設を進めている。完成は来年3月中旬の予定。15万個を飼育・生産し、加工品を製造販売する計画。新たな地域ブランドの創出や水産資源の確立で、漁業・水産加工業をはじめ地域経済の活性化につなげていく。
むつ市は青森県の「エープレミアム」を活用し香港への水産物輸出の定着を狙う。翌日配達と消費できる富裕層、無関税が魅力。活ホタテで4カ月ほど実績があり、「海峡サーモン」も有望、ウニ、アワビでも可能性ありとみる。付加価値向上による漁業者の収入アップが目標、周年にわたる継続出荷が課題だ。