岩手県の久慈市漁協(皀健一郎組合長・久慈市)は釣りスルメイカの付加価値を高め周年供給する試験を進めている。昨シーズンの「洋上活じめ」の鮮出荷に今季から冷凍を加え、サイズが小さい夏場は「沖漬け」に。地元などで販売しいずれも好評という。水揚げが減る中、高鮮度や衛生管理を付加価値にブランド化し浜値を上げる狙いだ。
低調に推移していた道南太平洋沿岸のスケソ刺網は12月に入って胆振側でまとまりだした。いぶり中央漁協白老支所では第1週から120トンペースで水揚げし、8日に140トン、9日には280トンと増加。同支所は「前浜全体で獲れている」と話す。
オホーツク海北部のけた引漁が11月末で終漁した。4単協の水揚量は漁場造成を含め8万4600トン。修正計画を8%上回ったものの前年比44%減と大きく落ち込んだ。
青森県産業技術センターの新しい漁業試験調査船「開運丸」が竣工した。計量魚探など最新鋭の観測装置をはじめ、流網調査やトロール調査にも対応できる設備類を搭載。主要調査魚種・イカ類に対する装備は民間船並みに拡充した。水産資源や海洋環境に関する調査研究などの充実・強化で、青森県の漁業振興へ貢献を目指す。
北海道昆布漁業振興協会(会長・川崎一好道漁連会長)の「北海道昆布漁業に関する懇談会」が10日、札幌市の道漁連本所で開かれた。「機械乾燥」をテーマに、産地6地区を代表する生産者10人がコンブの並べ方や温度設定、湿度管理、送風方法、除湿などの乾燥機の作業工程について情報交換した。
「知内かき」のブランドで知られる、上磯郡漁協知内中ノ川支所の養殖カキの水揚げが本格化している。総体的に身入りが良好。シケによる大きな脱落被害もなく、順調な水揚げで推移。貝のばらしやむき身作業などで浜が活気づいている。
紋別漁協ホタテ生産部会は今春、全13隻に簡易型船舶自動識別装置(AIS)を搭載した。部会としてはオホーツクで初めて。他船の動向把握とともに自船の存在を明確に伝える情報交換システムで、組合はもとよりホタテ船同士の情報共有が可能となった。けた引漁の安全操業に大きな役割を果たしている。
森町の株式会社ヤマホン佐藤商店(佐藤保浩社長、電話01374・2・2232)は、20年ほど前から秋サケの山漬けを手掛け、昔ながらの食文化を次代につないでいる。個人客や業務筋などに販売。ことしから富良野市の人気商業施設「フラノ マルシェ2」で具材に使ったおにぎりが提供され、知名度アップに期待も込める。
寿都町漁協のアンコウ刺網は水揚金額が伸び悩んでいる。数量は昨年並みだが小型傾斜で安値基調。着業者は「年々小型化している」と口をそろえる。
中国への原料輸出は今季、前評判通り低調に推移している。昨年に引き続き水揚げ不振の中、日本国内向けの原料需要が消流をリード。特にフレーク原料の引き合いが強く、下値を底上げし、中国加工筋の希望値とかい離が生じている。