むかわ町の有限会社丸中舛岡水産(舛岡博美社長、電話0145・42・2178)は、主力商材・シシャモの水揚げ不安定化をはじめ、ポストコロナ社会、物価高騰など魚食や経営をめぐる変化を踏まえた業務展開の道筋を探っている。一策が1次処理・2次処理の加工度で日常の食卓に上る商品形態。所有原料を生かし、ホッケを手始めに打ち出していく。
広島県は10日、フランス在外公館関係者との交流会を東京都港区のレストラン「エディション・コウジ シモムラ」で開催した。食を通じた国際交流に注力している県は、特に美食の国として知られる同国との関係構築を重点的に取り組んできた。EU・HACCP認証を取得した県産カキの輸出が今年2月に開始。これをきっかけとして一層の友好関係を築くとともに、県の主力品の海外展開に弾みをつけたいとしている。
別海、厚岸、紋別の漁業関係者らが6次産業化を推進する「北海道フィッシャーマンズプロダクション(FIP)合同会社」を昨年11月に立ち上げた。現状では各自が扱う商品を新会社のECサイトで販売。「漁師による漁師のための会社」という理念を掲げ、将来的には他の漁業者との連携やSNS発信、マーケティングなど多岐にわたる分野でのコンサルティングを視野に入れている。
新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きを見せ徐々に人の動きが戻る中、観光地や商店街で商いをする昆布専門店は、人出の中心となる若者や外国人観光客を意識した商品展開に加え、だしの提供も行うなど昆布食文化の発信に努めている。
札幌市の水産卸・進風株式会社(光田義隆社長、電話011・813・7411)は、ECサイト「ウオス」で展開する通販に産地振興を掛け合わせた販売戦略に取り組む。観光資源など地域の魅力を発信することで水産品の訴求力も高めていくコンセプト。利尻島を皮切りに漁協や漁業者などとの連携産地の拡大を目指す。
東京都・豊洲市場のサクラマス消流は、末端の商戦本番を目前に控え、入荷量の少ない青森県産釣物の卸値が高値に付いている。注文分で仕入れている仲卸は「3キロ台は3千~2500円が6日に5500円」と驚く。一方で北海道産の刺網物や底引物で1キロ前後は値ごろ感があり、取り扱う仲卸業者は「販売は良好だ」と自信を見せる。
砂原漁協(三上浩組合長)が砂原漁港敷地内に建設を進めていた新荷捌施設が完成し、3月下旬に業務を開始する。老朽化に伴う建て替えと併せて、品質、安全・安心対策に万全を期した閉鎖型の高度衛生管理施設に進化。活魚水槽の増強、低温管理など鮮度保持機能の強化、荷受業務の効率化なども図っており、新施設を有効活用し、漁獲物の付加価値向上に一層取り組んでいく。
東京都・豊洲市場の活じめアイナメ消流は卸値がキロ2千円前後まで上昇している。活魚が高騰しているのに加えて、シケ絡みで品薄になっているため供給量がタイト。仲卸業者は「大相場が高過ぎる。生食で提供する飲食店からの注文で仕入れているだけ。加熱商材で出す店に納品するのは難しい」と価格変動を注視している。
漬け物やそばの具材などに利用される伝統食品の身欠きニシン。特に日本海・後志管内では水産加工の主力商品の一つだが、近年消費が低迷し、生産量や製造業者も減少している。道総研中央水産試験場は需要拡大に向け、風味改良技術を研究。製造中に増加し、風味に関与する有用菌を特定、人為的に添加することで風味を向上させる製造法を開発した。
イオンリテール株式会社南関東カンパニーは、宮城県石巻市の取引先と連携し、水産品の鮮度向上に向けた新たなバリューチェーンを構築する。10日から、漁獲から店頭販売まで一度も冷凍しない蒸しだこ(ミズダコ)=写真=を関東・山梨エリアの「イオン」「イオンスタイル」125店舗で販売する。震災で途切れた販路の回復と拡大の一端を担う。