日高定置漁業者組合(佐藤勝組合長)は今年度から環境保全対策事業「『さけの里』森づくり」に着手した。生業・定置網漁の主力魚種・サケの資源造成を担うふ化場の運営に不可欠となる増殖用水・地下水(湧水)の安定確保で森林の「水源かん養機能」を考慮し、施設内に植樹。10年計画で全10カ所の増殖施設に実施していく。定置網漁業経営の組合員47人が賛同し、苗木の購入費を拠出。植樹木は保水能力を有することに加え、寒冷地に適応・生育可能で成長が早い早生樹「春蘂柳(はるしべやなぎ)」を選定した。
21世紀は環境の世紀。20世紀の機械文明を実現させた合理思想は、人類繁栄と幸福をもたらしました。しかし、その反面、環境汚染や自然破壊を引き起こし、人知の限界を知らしめるとともに、人類に深い反省を迫りました。
海産資源は、豊かな森と川によって育てられます。しかし、20世紀の文明は、森林を伐採し、川をコンクリートに護岸で直線に改修しました。
森と海(水産資源)には密接な関係があり、保水力のある広葉樹林が栄養豊かな水を蓄え、それを河川をつうじて海に運び、魚介類を育むのです。ところが、広葉樹林が伐採され、保水力の薄い針葉樹林が植林されたことで、この自然のシステムが崩れる結果となりました。
危機感を抱く北海道の漁協婦人部を先頭に、10年ほど前から植樹運動「漁民の森」づくりが展開されるなど、環境を守る取り組みが全国各地で活発化しています。
ただ、遅々とした樹木の成長に象徴されるように、自然を守り回復させる運動は50年、100年単位の息の長いものであります。そこで本紙は、環境の世紀の始まりにあたり、100年キャンペーン「森を守り海を豊かに」を展開します。機会あるごとに森づくりや、魚にやさしい河川の復元、そして沿岸部の保全など、環境問題を紙面で取り上げ、運動を盛り上げます。(2001年3月19日)
2016年5月26日、道女性連中心に全道各浜で推進する植樹運動に役立ててもらうため、公益財団法人北海道漁村振興協会(川崎一好会長)に30万円を寄付しました。