礼文島の天然コンブは全般的に繁茂状況が良く、自由操業による採取が進んでいる。着業者は「質の良いコンブを選んで採っている」「資源的にまだまだ採れる」などと話し、今後のナギと好天を願うとともに水揚げの上積みに力を込める。
森漁協元監事の山下良慈さんが進めていた天然マコンブの着生実験について、6月に行った調査の結果、浅瀬に投入した17基の「天然昆布種付着器」全てに種が付着し、大量に生育したことが明らかとなった。2020年度に始めた実験から3年半がたち「岩場のない場所でも藻場が形成できる」ことを実証。コンブ生成に大きな手応えをつかんでいる。
戸井漁協東戸井地区の天然コンブ漁が7月下旬に始まった。陸側主体に繁茂しているマコンブを採取。着業する芳賀浩平さんは「昨年の水が育った。個人的な印象はここ数年で一番の資源状況。まだまだ採れそう」とみている。
羅臼漁協の天然コンブ漁が始まった。繁茂は全般的に沖側が薄く陸側中心。下側では密生している漁場もある。生育状況は「幅が狭い」と指摘する声も多く、昨年に比べて芳しくない様子。着業者は今後の実入り向上などに期待している。
岩手県産養殖素干しコンブの初入札会が11日、宮古市の県漁連北部支所で開かれた。上場は前年同期比13%増の69トン。減産が計画される中、品質はおおむね上々で、黒長切は若干高めの10キロ1万4200円~1万3890円で落札された。
本場折浜の促成は昨年同様ヒドロゾア(毛)の付着に苦慮している。付着が目立つ部分は切らざるを得ず生産できないほか、乾燥後の製品化も手間がかかり難渋する。今季は成熟誘導技術(人工的に子のう斑を形成させる手法)で生産された種苗を養成した着業者も多く、葉幅など生育面では手応えを感じている。
道漁連は6日、道昆布事業協同組合の総会で、本年度の道内コンブ生産予想を1万2600トンと発表した。過去最低だった昨年度実績(1万970トン)を15%上回るものの、過去10年平均(1万4236トン)比では11%減で、今季も低水準の生産となる見込み。
釧路管内のさお前コンブ漁は、全5単協が計画操業日数を消化し終漁した。昨年流氷の影響で操業を見送った浜中漁協は2年ぶりに採取した。値決めは7月11日からを予定している。
釧路管内のさお前コンブ漁は、5月25日の釧路市東部漁協を皮切りに各浜順次解禁となって以降気象と海況条件に恵まれず沖止めが続いていたが、6月20日に全5単協が待望の初水揚げを迎えた。いずれも21、22日と続けて出漁。厚岸・浜中の両漁協は計画日数の3日間を消化し終漁した。
落石漁協の前浜さお前(ナガコンブ)は、不漁だった昨年を上回る繁茂状況。主漁場の「昆布瀬」は近年着生状況が芳しくなく、わずかな操業日数で終漁していただけに、着業者は「今年は少しでも水揚げを伸ばせられたら」と増産に向け力を込め沖に出ている。